夜廻５０.コトワリ様という神は ページ13
ジャキン ジャキン
鋭利な音がする
動悸が止まらない
２年振りに私の前に現れた「神様」はこちらに
体を向ける
私は少し身を固くした
『あ、の‥‥コトワリ、さま』
口を開いた瞬間
バキン！！！！
ものすごい音に遮られる
ひゅっ、と変な息がもれた
思わずぎゅっと目を瞑る
すると、急に両手が軽くなった
『‥‥！ 手かせが！』
ベッドの上には、粉々に砕けた手かせ
私を「拘束」していた物がなくなった
『‥‥助けて、くれるんですか？‥‥』
コトワリ様は何も言わない
けれど、私にくるりと背中(？)を向けると、
ズドォォン！
扉を突き破った
廊下に出、またこちらを向く
カーペットの上には、赤い裁ち鋏
『‥‥ありがとう、ございます‥‥！』
一粒流れた涙を拭い、
私はベッドから飛び降りる
裁ち鋏を拾い上げると、コトワリ様の後を
追った
＿＿『神様は、きっと人間の味方ではない』
それでも、きっと敵でもないのだ
＿＿＿＿
＿＿
「探偵社が総勢とは、驚いたな」
「じゃあもっと驚いた顔をしたらどうだ」
ポートマフィア正面入り口
そこに立つ黒の男に、探偵社は向かっていた
「要件は？」
「やだなぁ芥川君。わかっているだろう？」
太宰がにこにこと前に出る
ただし目は全くもって笑ってない笑みに、
芥川は一瞬硬直した
「‥‥十中八九、Aの奪還、でしょう」
「分かっているじゃあないか」
芥川は顔を歪める
「一介の小娘の為に、彼の武装探偵社が
総力を上げるとはな」
「そっくりそのまま返すよ
一介の小娘を、彼のポートマフィアが随分と
手に入れたがるじゃあないか」
太宰の後ろから出てきた江戸川が飄々と言う
「あの小娘は此処に必要な存在だ
よって、帰すことは出来ぬ」
敦には分からなかった
あのか弱そうで、夜に怯える、むしろ
ポートマフィアに向いている人物像とは正反対な彼女を何故おきたがるのか
その疑問は他の社員も例外では無く、国木田は
眉間にしわをよせ、谷崎は首をかしげる。
与謝野は怪訝に目を細めた
「どうしてそこまでおきたがるんだ
Aは、夜を嫌って‥‥」
「貴様がその名を呼ぶな！！」
芥川の感情が揺れた
憎悪にまみれた視線を、敦に向ける
敦は酷く困惑した
何故そこまで怒る？
「‥‥成る程
Aちゃんはこの街の闇に、随分と執着
されてしまったみたいだね」
太宰は冷たい目をした
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りんず(プロフ) - ユイさん» ユイ様、コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！ (2018年4月8日 10時) (
レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - おもしろかったです (2018年4月8日 1時) (レス) id: e31a251f71 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ｢名もなき贖罪の銃士の少女｣さん» ありがとうございます！(^-^) (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
｢名もなき贖罪の銃士の少女｣(プロフ) - 良かったです！これからも頑張って下さい！ (2018年4月4日 20時) (レス) id: bb589a0fac (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ｢名もなき贖罪の銃士の少女｣さん» 「名も無き贖罪の銃士の少女」様、イメ画ありがとうございます！とっても嬉しいメッセージまで添えて頂いて、にやけそうになりましたが、自分で足を踏んづけてこらえました((近々載させて頂きます！本当にありがとうございました！ (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんず
| 作成日時：2018年3月16日 19時
