夜廻51.六年経っても ページ21
頭を掠めたのは勿忘草色
ふらりとうずまきに現れたあの少女が、
いつのまにか探偵社の日常に溶け込んでいただけではなく、このヨコハマの暗部にまで気に入られてしまったのだと思うと、なんと不思議な事かと思う
太宰はため息をついた
__なんとも厄介な子が現れてくれたものだ
あの光は、触れるな、と言うには余りにも
眩しすぎた
かといって、触れてしまえば壊れてしまいそうな脆さである
人の足は光へ向かうもの
あのように魅力的な光があっては、求められるのは必然と言ってもいい
「探偵社がAを連れ戻すと言うのなら、
こちらも向かいうたせて頂く
それが、首領の命でもある」
羅生門を発動させた芥川は、その双眼を
探偵社に向ける
___そして、違和感を覚えた
「‥‥否」
彼はその時、ようやく気がついたのである
「‥‥‥一人、足りぬ」
丁度、同刻
その容姿に似合わぬ俊敏さで、和装の少女が
ポートマフィアに入った頃であった
その少女の名は「泉 鏡花」
かつてポートマフィアに暗殺者として身をおいていた者
「では、この布陣は‥‥フェイク」
「そういうことだ」
国木田が銃を取り出しセーフティを外す
その時
「‥‥少しまずいな」
太宰がぼそりと呟いた
「何がですか?」
それを聞き取った敦が、腕を虎化させながら
問いかける
「向こうも、足りないのだよ」
彼の視界にうつらなかったのは、本当なら芥川の隣にいるであろう人物
かつても今も、決して相容れる事はないで
あろう人物
__本当に
六年経っても大ッ嫌いだよ
「私がいるなら、あの戦闘狂の
ちびっこマフィアは必ず来ると思ったの
だけれど」
かつての相棒の姿を思い浮かべながら
瞳の笑っていない笑顔で彼はそう吐き捨てた
_____
__
「な、なんだこいつら!」
「銃が効かな‥‥ヒイッ、!」
ポートマフィア内部
見張りに残っていた構成員は、今までに
知り得ない恐怖に包まれていた
ある所では、
血濡れの刃物を持った化け物が構成員ににじり寄っている
またある所では、
上部に巨大な目と口を持った異形が、蜘蛛の様な足で廊下を這いずりまわっていた
化け物たちの手にかかった構成員は次々と
気絶していく
現場は、まさに地獄絵図と化していたのだった
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りんず(プロフ) - ユイさん» ユイ様、コメントありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです! (2018年4月8日 10時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - おもしろかったです (2018年4月8日 1時) (レス) id: e31a251f71 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 「名もなき贖罪の銃士の少女」さん» ありがとうございます!(^-^) (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
「名もなき贖罪の銃士の少女」(プロフ) - 良かったです!これからも頑張って下さい! (2018年4月4日 20時) (レス) id: bb589a0fac (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 「名もなき贖罪の銃士の少女」さん» 「名も無き贖罪の銃士の少女」様、イメ画ありがとうございます!とっても嬉しいメッセージまで添えて頂いて、にやけそうになりましたが、自分で足を踏んづけてこらえました((近々載させて頂きます!本当にありがとうございました! (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2018年3月16日 19時