横顔に、ほんのひとかけら ページ29
諭吉が一升瓶の首を掴み、高く持ち上げた。
二人で顔を寄せ、瓶の底を見上げて。
その文字を見つめた。
『よくやった! 褒めてやる!』
それは探偵社社長が、常人ならぬ活躍を飄々と披露する名探偵に贈る言葉として、社内で耳にすることのある決まり文句と、同じ言葉で。
「諭吉さん、これ…………」
諭吉はしばらく、瓶の底の、署名の無い文字を見つめてから。
そのまま手酌で、自分のグラスに酒を注いだ。
グラスの中の液体を見つめている、諭吉の横顔に。
子を思う、親のような……、
つまり、息子の成長を目の当たりにした、父親のような……、
誇らしさと、嬉しさが浮かんでいる。
……それから、もしかしたら。
ほんの一欠片の、寂しさも。
それがわかったので、レイヤはもう、何も言わず、何も聞かず。
そっと諭吉の背に触れ、ぽんぽんと、撫でてやった。
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カナコ(プロフ) - はるこいさん» 感想ありがとうございます!作者冥利に尽きます、幸せです!キュンキュン大事ですよね☆一気にお読み頂いた後は、社長の腕の中ですぐに寝て下さい!くれぐれも、寝不足で体調崩したりしないよう、お気をつけ下さいね!今後もよろしくお願いします! (2017年3月29日 14時) (レス) id: 5accc3d174 (このIDを非表示/違反報告)
はるこい - はじめまして!社長との恋愛…凄くキュンキュンですね!!言葉の運びが上手で読んでて全く飽きないので睡眠時間も削って一気読みしちゃいました♪これからも更新楽しみにしています! (2017年3月29日 12時) (レス) id: 531fa6c09a (このIDを非表示/違反報告)
カナコ(プロフ) - りりさん» ありがとうございます!嬉しい!興奮して飛んだり跳ねたり走ったりしちゃいます!イッキ読みでお疲れではないですか?ぜひ優しくソフトにゆっくりと、社長にいたわってもらってくださいね(≧∀≦) 社長愛たっぷりで更新して行くので、これからもよろしくお願いします! (2017年3月26日 16時) (レス) id: 5accc3d174 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 今日、1から読みました!占ツク内で数少ない社長の小説なので、楽しみながら読みはじめました!読み始めたら最後、ハマってしまい結局全話読んでしまいました(^^)次の更新を楽しみにしてます! (2017年3月26日 13時) (レス) id: bb6c68ea55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナコ | 作成日時:2017年3月18日 11時