みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.21 ページ22

side 翔太



一度あの店に足を運んでしまえば


またすぐ行きたくなってしまう俺


ふっかを誘っても釣れなかった


仕事が立て込んでるらしい


てことは、木村さんも忙しいのか


目黒に悪い影響が出ないといいけど



渡「やっほ〜」



扉を開けると


カウンターに座る男性客と楽しそうに話す涼太がいた



宮「お。珍しいね」

渡「ちょっとだけ飲みたくなってさ」



涼太と話したくなった、とは絶対言わない


別に涼太に会いに来たわけじゃねぇし、うん


席の間隔をあけて座ろうとした時



？「あれ！翔太！！」



客は嬉しそうに俺を呼んだ


ぱっと目を向けると


そこに座っていたのは



阿「久しぶり！」

渡「あれ、阿部ちゃん！？」

阿「そうそう、俺だよ〜笑」



あざとく手を振る阿部ちゃんだった



渡「そっか、阿部ちゃんって選択肢があったか」

阿「え？何が？」

渡「いや、今日ふっか誘ったんだけど断られてさ。仕事忙しいー！って」

阿「あはは笑 えー、俺も誘ってよー笑」



こっち来なよ！って隣の椅子をぽんぽんする阿部ちゃん



渡「だって阿部ちゃんいつも断られるし。仕事が〜って」

阿「明日から忙しくなるから、今日は息抜き笑」

渡「ほら！忙しいんじゃん！」



阿部ちゃんとふっかは同じ会社


部署は全然違うみたいだけど


あ、と


突然あることを思った



渡「阿部ちゃんさ、木村さん、って分かる？」

阿「木村さん？......えー、っと、木村名前？」

渡「あ、そうそう。」



俺はこの間ふっかと会った時


木村さんも一緒にいたことを阿部ちゃんに話した


もちろん、目黒のことは伏せて



渡「あのさぁ、俺どっかで木村さん見たことあんのよ」

阿「どっかって...、笑」



呆れて笑う阿部ちゃん



阿「だって..................................................」

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