みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.12 ページ13

side 蓮



普段飲まない翔太くんは深澤さんと会えたからか


2人とも酒が飲む手が止まらない



「辰哉さん、明日もお仕事なんですよ？」

深「だぁいじょうぶ。もしなんかあった時は名前に助けてもらうから！！」

「嫌ですよ〜、もー、」


目「翔太くんも、飲みすぎは体に毒っすよ」

渡「いいのー、久々だもん。」



高校時代の話に花を咲かせる2人に


俺と名前さんは置いてけぼり



あー、話したい



そう思った時


空いてる側の隣のイスがガタッと引かれた



「隣、いいですか？」



眉を下げて笑う彼女



目「っ…、どうぞ、」



ドキッとうるさい心臓



「舘さんが目黒くん暇そうだから話してあげて、って笑」



くすっと可笑しそうに笑う彼女は


あの時会った時と何も変わらない


仕事終わりなのに崩れてないメイクとか


綺麗に巻かれたままの髪の毛に


ケアとかちゃんとする人なんだな、って



「モデルさんなんですね、気づかなくてごめんなさい、」

目「あ、全然いいんです。僕ももっと頑張らないと、笑」

「いえ、違うんです！本当に私が芸能界よく分かってないだけで、、。」



「それにしても、本当に、もう一度会っちゃいましたね笑」



凄いことですね、これ、と


控えめに笑った名前さん



目「僕は、絶対会えると思ってましたよ」



なんて強がってみる


本当は8割諦めていた


彼女の容姿と声以外何も知らなかった


それでも今日出逢えてしまった


これを運命と呼ばないなら、なんと呼ぶべきだろう



目「ずっと、お会いしたかったです」



真っ直ぐ彼女の目を見て言うと


照れているのか目を逸らして笑った



「恥ずかしいです、そんなこと言われると笑」



彼女の行動一つ一つに反応する自分に


無性に慣れなくて気恥ずかしかった

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