みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.11 ページ12

side 蓮



渡「えっと、、木村さん、だっけ」

「はい、」

渡「俺はあなたのこと、正直信用出来ない」



きつい翔太くんの言葉に


顔をひきつらせた名前さん



「あの、」

深「ん？」

「"目黒蓮"さんって、有名な方なんですか？」



俺を含め、その場にいた4人がぽかんと口を開けた



渡「え、もしかして知らない？目黒のこと？」

「すいません、芸能人の方に疎くて、、」



そんな彼女にふわっと笑った翔太くん



渡「なーんだ笑 じゃ、いっか！」

深「名前ほんといい子だから。翔太が心配してるようなことはないよ」



ほら、隣おいでよ、と


翔太くんは"ふっか"さんの隣に座り


俺はまた翔太くんの隣に座った


連絡先は、帰りでもいいよね


でもだからか、と納得がいった


彼女があれだけ普通に俺に対して接してくれていたこと


俺を知らないからだったんだ


自分で言うのもなんだけど


最近は表紙をやらせてもらう機会もテレビに出させてもらう機会も増えて


見ない日はないよ、なんて言ってもらえるほどになった


だから正直俺を知らないなんて思いもしなかった



深「あ、目黒くん。俺深澤辰哉です」

目「どうも、目黒蓮です」

深「暗くてもかっこいいの分かるって、ほんとすげぇな」

目「いえいえ、笑 嬉しいっす笑」

渡「ふっかと木村さんは何？同じ会社なの？」

深「そー。部署が一緒なんだよね」



ニコニコして二人の会話を聞く彼女に見入ってしまう


こんなに近くにいるなら、もっと話したいのに



深「翔太が目黒くんにここ教えたの？」

渡「そ」

深「へー、珍しい。翔太かなり目黒くんのこと気に入ってんね笑」



うるせー、と深澤さんを叩く翔太くんは少し照れている



深「いやここね、会員制じゃん？俺たちはだてと知り合いだったからしれっと来てるけど、紹介でしか入れないんだよねここ」



深澤さんは俺にそう説明してくれた



深「だからほんっとに仲良い人にしか教えないの、俺も翔太も」
深「ねー？名前〜」

「はい？」



控えめにグラスを持ってお酒を飲もうとした彼女は


深澤さんの呼び掛けに手を止めた



深「俺はちなみに名前にしか教えてないんだよ」



茶髪の名前さんの頭を一撫でする深澤さんに


権利もないのに嫉妬してしまう



深「だからね、翔太かなり目黒くんのこと好きだよ笑」



やめろ！って笑う翔太くんに


こんな人がマネージャーで良かったと


改めて感じた瞬間だった

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