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1粒、 ページ2

眩しい日差しに照らされる。




明るい…………?






腕の痛みを、無視して、起き上がると、


とても、和風の、部屋にいた。




風情あると、いうのだろうか。





当たりを見回す。





なんで、私はここに…?


先程、アスファルトに…………





バッグは………、!






………………………





すぐ近くの棚に置いてあった。





………にしても、ここは、いったい…………




「おや、起きたのですね。」



声の方に振り向き、攻撃態勢に入る。





入ってきた男性は、黒っぽい装束を纏い、たし

か、お粥とか言うものを、運んできていた。



『貴方は誰、私に何か用?

なんで私はここにいるの、私を殺すつもり?


それとも売るの、何が目的?』



よく観察しながら、問いかける。



男性は、薄く、笑みを浮かべた




「質問が多いですね。

答えるのは、貴女がこのお粥を食べてからで

す。」



男性は、そういって、お粥をスプーンですくっ

て、私に食べさせようとしてくる。



『毒が入っているんだろう?私は食べない。』



拒む。




「食べなければ、聞きたいことは、聞けません

よ。早く食べてください。」





さあ、とスプーンを差し出す。


とても不思議な香りがする。



しかし、惑わされては、いけない。




『ならば、毒味をして。』




睨んだまま、うったえると、


はぁ、と息をついて、スプーンを口にはこんだ。




少しした後、飲み込む。




「ほら、毒なんて入っていないでしょう?」



『そのようだな、…』




渋々、状況を受け入れる。




そして、口を開いた。







口の中に、ふんわりしたものが流れ込む。





その瞬間、





私は、泣いていた。




「…!?…なぜ泣いているのですか………そんなに美

味しかったでしょうか?」





潤んだ目のまま、男性の方を向く。





『いえ、涙というものが流れる意味も、美味しい

というものが、なにかも、知らな

い。でも、これ、温かい…………




こんなに温かいものを口に入れたのは初めて。』




ボロボロと、目から涙がこぼれる。








それから、お粥をかきこんで食べた。



口の中が、喉が、胃が、指先まで、温かくなっ

た。

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作者名:羽憐 | 作成日時:2019年4月17日 20時

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