第五話 ページ7
一通り、お互い紹介し終わった後。
「でもよかった〜。唯一の女子が、秀吉みたいな美少女で」
と、吉井くんが。
すかさず、木下くんが男子アピールをしていた。
……私いていいのかな。
ば、場違いとかになってないかな。
「わしは"男子"じゃ」
「ウチが"女子"よ」
そういえば、唯一の女子って言ってた気がするんですけど……。
「私も女子ですよ……」
私って、そんなに女子にみえない人でしたっけ……。
あ、私はなくとも島田さんは女子ですよね。
「わかってないなぁ。女子と言うのは、優しくておしとやかで、
見ていて心が和む癒しのオーラを漂わせる存在であって、島田さんのように
がさつで乱暴で怖くて――」
ぱ、パキパキと吉井くんの骨の音が……
「胸がないからあばら骨がこすれてすごく痛い！！！！」
す、……すごい痛そうですね。
でもやられてみたいかもしれません。
そういう機会なんて、滅多にありませんし。
ふいに教室がざわざわし始めた。
担任が入ってきたのかと思ったが、違ったようです。
「遅れてすみません……。保健室に行ってたら、遅くなってしまって……」
桜色のふわふわした髪を揺らしながらこちらに向かってくる女子生徒。
なんという体型。……胸も大きく、くびれも凄い。
……私とは大違いです。
「吉井くん……」
「何？ 姫路さん」
近くで見ると更にすごいです。
「痛くないんですか？」
と、その心配の声と共に吉井くんの悲鳴があがった。
すると、また冷たい風が体にあたった。
……まだ春ですもんね。
腕に手をあてこすっていると、
ぶしゃっという音が……ってなんの音でしょうか……！？
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作者名：切泣彩乃 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yokoyama0731/
作成日時：2017年1月1日 18時
