第十話 ページ12
学校に着き、姫路さん、島田さん、木下くん、土屋くん
私を含め五人でトランプをしていたとき。
「みんな、聞いてくれ！ Ｆクラス代表として提案する」
坂本くんが、担任の机をバンッと叩きました。
……自然、彼の方向を見る訳ですが。
提案とは……いったいなんでしょうか？
「俺達Ｆクラスは、試験召喚戦争をしかけようと思う！」
一瞬でクラスにはざわめきが迸りました。
しかし、試験召喚戦争って……。
「なんじゃと？」
「試験召喚戦争って、まさか……」
文月学園では、試験召喚戦争
通称 "試召戦争"というシステムがあるんです。
生徒は教師の立会いの下、科目の成績に応じた攻撃力を持つ召喚獣を召喚できるんです。
その召喚獣によって戦争を行い、上位のクラスに勝利することができます。
そして、そのクラスと教室の設備を交換できるようになります。
これを試験召喚戦争、"試召戦争"と言います。
「みんな、このオンボロ教室に不満はないか！」
「「大アリだぁぁ！！！！」」
物凄い勢いでＦクラスのメンバーは片手をあげます。
確かに、この教室に不満がないかと言われると…………
ないとは言い切れませんね。
「だが、試召戦争にさえ勝利すれば！ Ａクラスの豪華な設備を手に入れることだってできるんだ！」
「おぉぉぉぉっ」
「我々は最下位だ！ 学園の底辺だ！ 誰からも見向きもされない これ以上のないクズの集まりだ！」
「おぉぉぉぉぉぉぉっ」
やんわりと、物凄い悪口を言われた気がします。
……いえ、バカなので事実なんですが。
「つまり！」
そう言いながら、坂本くんは担任の机をバンッと再び叩く。
「それは、もう失うモノはないということだ！」
なるほど。
周りのみんなも気づいたようです。
……だって、頭にびっくりマークがつきそうな顔をしたんですから。
これくらい私でもわかります。
「なら、ダメ元でやってみようじゃないか！ それに、俺達にはコイツがいる！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：切泣彩乃 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yokoyama0731/
作成日時：2017年1月1日 18時
