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優しいヤクザ ページ6

意識がまだぼやける中、二人分の声が耳に入り込んできた。

「で、こいつどうするんだよ」

「はて、どうしましょうか」

私はゆっくりと目を開けた。
するとそこには、先輩とあの男の姿が。

徐々に記憶が戻ってきて、逃げなければ、という考えが頭をよぎった。

しかし、腕を動かそうとするもガチャガチャと金属音だけがなり響くだけで腕は動かない。

「無駄ですよ、手錠を掛けてありますから」

「警官が手錠されるなんて夢にも思わなかっただろ?」

「…ッうる、さい」

私を見下ろす冷やかな二つの視線。

あの男がくるくると私の銃を手で回して遊んでいる。

「やっぱ女でも実弾じゃねぇのか。ハッタリかよ、つまんねぇな」

「…っ私を、どうするの」

殺されるか、人質にされるか、売られるか。

逃げられない、助けも来ない。
そう思うと目の奥が熱くなった。

「…女はすぐ泣くからめんどくせぇ。
だからそれを今考えてんだろうが」

「…っ殺しは、」

「しねぇよ。俺は女には手を出さねぇ」

「そこは曲げませんよね、いつも。」

「まあな。
で、取り合えず解放は出来ねぇからここに軟禁で保留な」

「なん、きん…」

それはまあ殺されるよりはマシかも知れないが、もしかしたら酷いことを…

「別に拷問だとか断食だとかそんなことしないんで安心してくださいね」

「アッハイ」

「俺らを何だと思ってんだよ…」

「ヤクザ」

「いや、まあ確かにそうだけどな…」

うーん、と考え込む男。
しかしすぐに、ああもうめんどくせぇ!と言って私の目の前へとずかずかと歩いてきた。

「お前の処分は近いうちに出すから、ぜってぇ変なマネすんなよ!」

「は、はい…ヤクザさん」

「ヤクザさん…俺は碧棺左馬刻 様だ覚えとけ!あと様付けしろ!」

「左馬刻、さま…何かヤダ…」

「うるせぇ黙れよ…つーか、お前の名前は何なんだよ」

「私、は…Aです。銃兎先輩と同じ部署の。」

「そーか、A、な。覚えといてやる」

どんだけ上から目線なんだ。

まあ、命は助けてくれるだけでも、ありがたいと思うべきか…

ハマの料理長→←現場突撃!



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くらげ(プロフ) - うわぁあ…すみません、夜中の更新で寝ぼけてました…(言い訳)訂正しておきますね、報告ありがとうございました! (2018年10月12日 23時) (レス) id: 83c8e44be3 (このIDを非表示/違反報告)
千平(プロフ) - 先生視点おまけ4行目、シンジュクの左馬刻じゃなくてヨコハマの、ではないでしょうか? (2018年10月11日 4時) (レス) id: e2b806019f (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 琴葉さん» 確認したところ『佐』になってました…!教えていただきありがとうございます! (2018年9月23日 16時) (レス) id: 83c8e44be3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 左、馬、刻ですよ (2018年9月23日 12時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらげ | 作成日時:2018年9月18日 0時

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