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「なんかなー、もっとナチュラルに使えねぇかな」
人差し指を回しながらバケツに入った水を操りながら溜息混じりに言い放つ
今は我が家の裏庭で一年ズと椿達に稽古をつけている最中だ。正直、部屋で横になってダラけた1日を過ごそうかと思っていたんだけど…まぁ椿が騒がしかったからな。
なんて思ってると聞こえてくる、葵のデカい声
「ナチュラルって何!?相変わらず教え方が雑なのよ姉さんは…!」
「呪霊に対しての使い方しか教えなかったのが悪かったかなぁ…もっと殺意を抑えてみろ、今のままだと特級相手には攻撃全部読まれるぞ。あと椿はもっと肩の力抜け」
「肩の力を抜く…」
「Aさん、俺はどんな感じ?」
「悠仁あれだな、相手の動きをよく見て次を考えるってのは徹底しろ」
分かった、そう元気よく返事をした悠仁の頭を軽く撫でる
そう言えばあの2人は…あ、居た。疲れたのか池横の日陰の座ってる恵と野薔薇、別に私が鬼のような稽古をしたわけじゃない。悠仁と椿が10分前まで散々あの2人と手合わせしてたからで、決して私が楽しんでたわけじゃない。
止めてやればよかったか…
「疲れたか?」
「見ればわかりますよね…」
「悪い悪い。野薔薇、中入って涼んでこい」
「ラッキー、じゃあな伏黒干からびんなよ〜」
「うっせ」
ばしゃりと葵の操っていた水が落ちる音が聞こえる
「…さっき言ってた、ナチュラルにってどういう意味ですか」
「まぁそのまんまさ、自然に使えってな。攻撃だけとしてじゃなく、普通に扱えるようになって欲しいんだ」
「普通に、ですか」
「見せた方が早いかもな。蒼ー、一旦ストップ」
「ちょっ、折角集中してたのにッ」
「ごめんな、ちょっとだけお手本見せてやる」
バケツに入った水をさっきみたいに指で操る
指の動きと水の動きを一体化させ、水はまるで地を這う蛇の様に空中を動く。ひとしきり動かした後、ジョウロから出てくる優しくて柔らかい動きに変え隅の花壇に水を撒く。
グッパッ、と手を動かして葵を見る
「こんな感じに使えるようになれば合格点だな」
「…無理でしょ…ッいや、姉さんに出来て私に出来ないなんて事ないわ!」
「恵も自分の術式を使う時意識してみるといい」
柄でもない事を言ったむず痒さに襲われたせいか
コイツら以外の視線に
私は気づくことが出来なかった
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