四十七の書 ページ3
ゾムside
信じてたのに
そう、言ったように思えた。そう思えるぐらいひどい顔をあいつはしとった
トントンの部屋に向かうAを見かけたから、驚かせてやろうと追いかけて
天井裏にいた俺に、Aは疲れとったみたいで、気がつくことはなかったから
チャンスやと思った
いつも驚かそうとしては、速攻ばれて失敗しとったから
トントンの部屋に入ったAは、呆れた様子で机で寝落ちするトントンをベットに寝かした
トントン巻き込むと後が怖いから、部屋出てから驚かしたろ、と思っとったら
さっきのを見た
ボソボソとAはなにかをつぶやいた、次の瞬間、物凄い殺気をトントンに向けた
一瞬、Aではない何かが、突如として現れた、と本能で思ってしまったほど
その殺意は確かなものだった
せやけど、それはほんまに一瞬だけで、次の瞬間には元の優しいAになっとった
驚いて声をかけることを、驚かすことも忘れてしまった俺を置いて、Aは部屋を出た
慌てて追いかけようと廊下に出た瞬間、ソレは囁くように響いた
ー『君は、僕を信じてくれるよね』ー
実際に鼓膜が揺れたわけじゃない、けれど、ソレは確かに自分に問われたものだと
なぜか思う
俺を君って呼ぶ奴は、A以外におったっけ、いや、おらんかった気がする
兄さんがたまにメンバーを君と呼ぶときはあるけど、それではないな、と思う
ゾ:でも、Aに言われたことないしなぁ、、、。
記憶を巡らせてみる、けど、やっぱ「信じてくれるよね」なんて言われたことない
Aはいっつも優しい。気配りもできるし、サポートも上手い
例えば今「信じてくれるよね」と問われれば、二言返事で「当たり前やん」って言える自信あるわ
Aは仲間
あの変な館であった時から、嫌な感じはせぇへんかったから
てか、実は結構親近感?みたいなん湧いとってん
Aがコンピューター室に入っていくのを見届けて、自室に戻る
戻りながら、考える
あいつ、さっきなんて言ったんやろ。めっちゃ気になる。
ボソボソ、絶対なんか言っとったんやけどなぁ、、、声小さくて聞こえへんかってんな〜
せや!!!
ゾ:ロボロあたりに声拾ってもらって、解析して貰えばええやん!!
そうと決まれば、早速ロボロんとこ行こ!!と、俺がロボロの部屋に向かったんは
日付を越える数分前やった
ーー理不尽な好奇心が徹夜のロボロを襲う!!ーー
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くろねこ - ( ;∀;)うわあーいい話、、 (2月25日 9時) (レス) @page27 id: 867516ea99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - どの作品も最後の一言、とてもいい言葉が書いてある。作者さんありがとう! (1月3日 20時) (レス) @page27 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
いるか - すっごく!!感動しました!泣きました。ありがとうございました。 (2022年8月11日 20時) (レス) @page28 id: ace8bc3786 (このIDを非表示/違反報告)
海老天(プロフ) - あーーめっちゃ好きぃーーー推しはヨルだけど() (2022年6月2日 16時) (レス) @page28 id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
食害するゾロミール(プロフ) - ヨルくんも、救われてるといいな (2022年3月21日 14時) (レス) @page28 id: 9d739d612f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:地縛霊 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年4月10日 0時