第72話 ページ28
貴方side
痛む体を無視して、声を出した
『我らは人間を愛している！』
『この人間を思うこの心さえ嘘だというのなら！』
『我らは何のために人間についたのかっ！』
痛みに耐えきれなくなり、体が食人鬼に戻ってしまった、でも
俺はやめない
『忘れないでくれ！我らが人間のために戦ったことを！』
『忘れないでくれ！人間を愛し慕った者もいたことをっ！！』
『忘れないでくれっ！！！！』
貴：俺が、いたことを、、、どうか、忘れないで
最後に言った言葉は、とても小さくて、誰にも聞き取れなかっただろう
聞き取れ、なかった、、はず、なのに
？：当たり前やろ、誰が命を預けてくれた男を忘れるんや
とても低く、特徴的な声が、俺にそう告げた
辛さのあまり、幻聴でも聞こえたか？
なんて思っていたら、さっきから何かをぶつぶつ言っていた男の声が聞こえなくなっているのに気がついた
まさか、、、！
慌てて周りを見渡せば前の布の隙間から、深緑の軍服が見えた
もしかして、、、トン氏？
声をかけようとしたら、ブチリという音と共に俺を十字架に括り付けていた縄が切れた
俺は体が動かないので、重力に従ってそのまま落下した
落下した俺の体は地面にぶつかることなく、ふわりとキャッチされた
誰だろうと考えて、匂いを嗅いでみると、甘い紅茶と上質な紙とインクの匂いがした
この匂いがする人物は1人
貴：グルッ、ペン、さん、、、？
俺がかすれた声でやっとこさ名前を呼べば顔にかかっていた布がとられ
心配そうにこちらを見つめるグルッペンさんの紅い瞳と目があった
グルッペンさんは嬉しくて微笑んだ俺に
グ：すまない、迎えに来るのが遅くなった、、、そのせいでこんな、、、
と、何だか泣きそうな顔をしながら言ってきたので首を左右に振り
口パクで大丈夫、ありがとう、と伝えれば、グルッペンさんは
グ：すぐにしんぺい神のところに連れていく、だからそれまで、、、生きててくれ！
なんて言って、僕を姫だきして走り出した、周りをよく見れば、みんな戦っていた
幹部総出で迎えにきてくれたのか、、、！
そう気づいて俺はとても嬉しくなった
そして、そのまま
意識を、手放した
俺が最後に見たのは
焦り、泣きそうなグルッペンさんの顔だった
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ゆき - 最高の作品ありがとうございます‼ (1月3日 18時) (
レス) @page29 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - もう、、、ね？この作品もほかの作品も、作者様もだーいすきっ (2021年12月18日 19時) (レス) @page30 id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
フィルライ(プロフ) - 最高でした！何度も泣いて、(*´；ェ；｀*) (2021年10月30日 21時) (レス) @page32 id: 5dffbeb247 (このIDを非表示/違反報告)
RrmJBvVXpEJPHxp(プロフ) - やばい泣いてしまったw いままでで１番好きかも() (2021年10月12日 18時) (レス) @page29 id: 6764401e10 (このIDを非表示/違反報告)
ユイト(プロフ) - とても面白かったです！質問なのですが、死人喰いの鷹を飛ばした人とハッサはやはり亡くなってしまったのでしょうか？？ (2021年8月11日 4時) (レス) id: 15b43484e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月25日 22時
