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「母が亡くなって…頼れるのは、あなただけなんです」
「そう…大変だったのね」
リリアさんは電話越しで泣いていた。
そんなにも、彼女にとって母は大事な存在だったのだろうか。
「……ロシアで、一緒に暮らしましょう」
「え……」
「お金はもちろん私が出すわ。こんなこと急に言われて、不安しかないと思うけど…私と一緒に暮らさない?」
「…………お願い、します」
.
こうして、私はロシアに来た。
サンクトペテルブルク___
サンクトの空は東京よりもずっと広くて、青くて、澄んでいて、
ああ、世界って広いんだなあ、
なんて思った。
私の手のひらから、空へと吸い込まれそうな気がして。
私って、こんなにもちっぽけなんだと感じた。
.
「うわ、すごい…」
リリアの言うとおり、私の部屋の隣にはグランドピアノがあった。
これはきっと最高級のものなんだろう。
〜♪
「……久しぶり弾いたな」
鍵盤が少し、重く感じた。
私も母と同じように、ピアニストになるのかな。
母のように…
ジャーン…!
「そんなの、絶対ありえない」
私は、
私は…
一体、なんなんだろう。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2019年9月12日 22時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつまいも子 | 作成日時:2017年7月25日 15時