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第5話【龍虎軍】 ページ6

ヘリの操縦をしていた信玄は、地上の風景を観察する。
そして、それが何か変だということに気がついた。

眼下には大きな町が広がっている。
その北東の一部分が黒い物体で埋め尽くされているのだ。
そして、その物体は徐々に南下してきている。

信玄が目に双眼鏡を当て、黒く変色しているその一角にピントを会わせた瞬間。
異変が起きた。

ぼっ、とそこから紅蓮の炎が立ち上ったのが見えた次には、その黒い一角は炎の渦に包まれた。

慌てて無線に手を伸ばすと、無線からザザザ……と一瞬雑音が入り、若い男性の早口で少々上ずった声が聞こえてきた。
「こちら駒王軍、こちら駒王軍。町の北東部で妖の襲撃発生」

信玄はその連絡が切れるや否や、
「こちら龍虎軍、こちら龍虎軍。妖の襲撃を確認。直ちに討伐開始いたす」

直ぐに次の連絡が入ってきた。
「こちら越天軍、こちら越天軍。町の南西部に本部設置予定」
「こちら駒王軍。了解」
「こちら龍虎軍。了解」


張り詰めたヘリ中の空気を感じ、信玄はメンバーに指令を出す。
「ようし皆、降りる準備しとけよ」
「もう既に完了しています」
斜め後ろから山本の冷静な声が応答した。

「よし、合格」
笑いを含んだ声で、後ろの山本に親指を立てて見せた。

「そうだ、勝頼」
謙信が思い出したかのように、信玄の隣に座っている勝頼に声をかけた。
「なんでしょう?」
「今日は槍じゃなくて弓で後ろから援護してくれないか?」
「何故ですか?」
驚いて目を丸くした勝頼に、謙信はさらりと述べた。

「今回のような大規模襲来だったら、ただただ接近戦で戦うのではなく、少し離れたところからの援護がある方がやりやすいからだ」
「わかりました」
勝頼は、素直に頷いた。

ーー討伐本部にもうすぐ着陸する。

第6話【玉菊】→←第4話【龍虎軍】



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スピカル@ulog出現率高め。(プロフ) - 更新させていただきます! (2017年7月16日 20時) (レス) id: f5a1a44351 (このIDを非表示/違反報告)
哀の戦騎(プロフ) - 終わりました! (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6ae72a29d5 (このIDを非表示/違反報告)
哀の戦騎(プロフ) - 更新します! (2017年6月27日 15時) (レス) id: 6ae72a29d5 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ@お絵描きはまった(プロフ) - 大変遅くなり、申し訳ございません!!終わりました! (2017年6月25日 20時) (レス) id: 78e8420888 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ@お絵描きはまった(プロフ) - 更新します! (2017年6月24日 17時) (レス) id: 78e8420888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨月 x他6人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/nikoakohor10/  
作成日時:2017年6月19日 21時

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