検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:4,889 hit

第10話【島津義久】 ページ11

「鶴翼之囲……だが、矢張り関係無いか」と熱い額を押さえながら、布団に横たわる。体は怠く思うように動かない、何とか動こうとするが矢張り倒れてしまう。これだから副作用は嫌いなんだ、とふてぶてしく笑う。今さっき弟たちは戦場へと飛び立った。その数分前に彼ら、“島津隼人軍”が到着した。着くやいなやその数に驚いてしまったのだが、動じることはない。かつて三年前にもあったこと、其ほど記憶は古くない、今の知識を使えば容易なものだった。

「義久さん」と、部屋に入ってきたのは玉菊だった。薩摩隼人軍を呼び、副作用を承知の上で能力、見抜きをお願いされた。玉菊は額の布を水に浸し、義久の額においた。その顔は申し訳なさそうに眉を下げている。

「ごめん、副作用がこんなときなのに出ちゃって……」

「何、気にするな。戦場において軍師は必要不可欠、指揮するものが居なかったらどうする」

「その通りだ」とノックもせずに入ってきたのは、土方であった。片手には通信機を携えている。

「申し訳ない、俺一人では手に終えなかったかもしれん」

「何、土方の戦略は喧嘩しか出来ぬ。だが妖にはきく、其に付け足しただけだ」

気にするな、と笑う。土方はそれだけで肩の荷が降りた。だがまだ、気は抜けない。緊張感を持たなければ。

「義久、辛いとこ悪いが“全域放送”を頼む。東洋に赴いている軍はあまり知られていない。が、御前達の藩は知られているか」

「おい、藩に戻っているぞ。まぁいい、どれ、貸せ」


「日本の討伐軍の皆様、初めまして。東洋に赴いている島津隼人軍が長、島津義久だ。非常に遅い到着ではあるが、妖の討伐に参加させて頂く。今各軍に、我が親類を派遣した。遅れをとるつもりも、取らすつもりもない。存分に使ってくれていい、一応だが妖の陣は鶴翼之囲に似ている。それを駆使して、戦ってくれ。





無事を願う」

第11話【島津義弘】→←第9話【天塩軍】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:妖破流転 , 歴史 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

スピカル@ulog出現率高め。(プロフ) - 更新させていただきます! (2017年7月16日 20時) (レス) id: f5a1a44351 (このIDを非表示/違反報告)
哀の戦騎(プロフ) - 終わりました! (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6ae72a29d5 (このIDを非表示/違反報告)
哀の戦騎(プロフ) - 更新します! (2017年6月27日 15時) (レス) id: 6ae72a29d5 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ@お絵描きはまった(プロフ) - 大変遅くなり、申し訳ございません!!終わりました! (2017年6月25日 20時) (レス) id: 78e8420888 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ@お絵描きはまった(プロフ) - 更新します! (2017年6月24日 17時) (レス) id: 78e8420888 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:梨月 x他6人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/nikoakohor10/  
作成日時:2017年6月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。