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「汝の名を告げよ。」
「乾Aです。」
「A…汝の魂のかたちは…」
少女は緊張からか背筋が伸びる。
＿私の魂のかたちは果たしてどのようなものなのか。
興味津々のようだ。流石だ。図太い。
しかし、一向に鏡は答えない。
「…わからぬ。」
「は？」
沈黙を破った鏡の言葉に誰もが驚愕した。
少女もその一人で間抜けな顔をしている。
周りの生徒が数人、ざわついた。
「なんですって？」
「この者からは魔力の波長が一切感じられない…色も、形も、一切の無である。」
「でしょうね。私魔法なんてそんなファンタジーなもの使えませんよ。」
少女は少しがっかりした表情で鏡を見る。
「よって、どの寮にもふさわしくない！」
「デスヨネー。」
もしかしたら、異世界トリップ特典で魔法が使えていたりしないかとか一瞬期待していたのだが、現実はシビアだ。
＿まぁ、私の夢なんてそんなもんか。
少女よ。残念ながら完璧な夢ではないのだよ。
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない！生徒選定の手違いなど、この100年ただの一度もなかったはず。一体なぜ…」
「すみません、ディスってないですよね？」
クロウリーの言い様に若干腹を立てる少女。
その隙にグリムがクロウリーの拘束から抜け出した。
「だったらその席、オレ様に譲るんだゾ！」
「あ！待ちなさい！この狸！」
「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ！だから代わりにオレ様を学校に入れろ！魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ！」
そう言ってグリムが両手を広げる。
何かを感じ取った赤髪の男が叫んだ。
「みんな伏せて！」
「ぶーな〜！」
その声と共に、辺りは青い炎に包まれる。
「大丈夫ですか？」
「クロウリーさん、ありがとうございます。」
少女はクロウリーに助けられ、無事だったようだが…
「うわぁ！あちちち！尻に火が！」
ターバンの男はよけきれなかったらしく、お尻に火がついている。
少女は咄嗟に飛び出て、ターバンの男に近寄る。
「大丈夫ですか！？」
「え、あ！さっきの魔法ナシの子！」
「と、取りあえず、火を！」
少女は自身が身につけていたローブを脱ぎ、男の尻の周りをはたく。
少女の努力が実ったのか、火が消え少女が一息ついたとき…
「…お前、女か？」
「え、はい。女ですけど…。」
ターバンの男が不思議そうに顔を覗き込む。
「お、女ですってぇ〜！？」
クロウリーの小声の悲鳴が少女の耳をつんざいた。
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芋けんぴ(プロフ) - ユノさん» ユノ様、コメントありがとうございます。ヒプマイのキャラ本編では基本的に主人公の回想のみの出番となりますが、番外編の方で関りを持たせたいなと考えています！ (2021年3月3日 12時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - ヒプマイキャラは出ますか？ (2021年3月3日 9時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 仁王彩香さん» 仁王彩香様、コメントありがとうございます！今日更新しました！お待たせしてしまい申し訳ありませんでした！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» Rさん仲間ですね！ラギーの声推しです。 (2021年1月29日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香(プロフ) - こっちの作品も更新がんばってください( ´∀｀) (2021年1月27日 12時) (レス) id: f42b11f826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年8月14日 19時
