日常104 船の行き先 ページ27
「アーサか。悪くない。」
「じゃあ、改めてよろしくの。アーサ。」
少女はアーサに手を差し伸べる。
アーサはその手を今度はしっかりと握った。
その様子をレクスとラトローはどこか優しい表情で見ていた。
さぁ、旅に出よう。
故郷を探して、
希望を探して。
出会いを、友を、生涯の宝を求めて。
_つま先は前に向けておこう。
どんな困難が訪れたとしても立ち上がれるように。
どんな時もしっかりを前に進めるように。
_つま先は前に向けておこう。
ただ一途に前を向き、いつかあの日の過ちすら愛でられるように。
_つま先はできるだけ遠く踏み込もう。
振り返る時自分の影が追い付かないように。
「行くぞ!」
太陽のように微笑むこの少女に置いて行かれないように。
この少女に着いて行けば希望が見れる。
三人はそう信じて船に乗り込む。
船が宙に消えていく。
まるで流星のごとく宇宙を駆け抜けるその船は<希望の船>に相応しい。
_さぁ、今日はどこへ行こうか。
四人の笑顔が宙に輝いた。
________
「うぅぅ。」
「Aさん…って何泣いているんですか!?」
リビングのソファーに座る少女に三郎が近づく。
話しかけると少女の顔は涙にぬれており、三郎は驚く。
少女の手にはStellaと表紙に書かれた小説があった。
「あ、小説ですか。」
「うん。泣けるの。」
三郎は少女から小説を受け取り、表紙を見る。
「これ、夢野幻太郎の本じゃないですか。」
「うん。貰ったの。私に読んでほしいって。」
「…僕も読んでみていいですか?」
「勿論!良いよ。」
三郎は少女からの了承をいただき、小説を借りて一晩かけて読んだ。
読むにつれて三郎の眉間にしわが寄る。
この<カニス>という少女のモデルに心当たりがあったのだ。
三郎はおもむろにパソコンを開き、夢野幻太郎の住所を調べ始めた。
一言言ってやりたいことがあったのだ。
翌日、三郎は幻太郎の家に訪れた。
___
こんにちは。芋けんぴでございます。
Stella編長くて申し訳ありません。
あと一話で終わる予定です。
最推しがシンジュクの皆様がいらっしゃいましたら、もう少しお付き合いください。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時