日常80 偶然 ページ48
「あれ、おねーさん？」
「乱数！」
無事課題も終わり、幻太郎に本を返しにシブヤに来た少女。
この前のご飯のお礼と本のお礼を兼ねて、何かお茶菓子でも持って行こうと和菓子屋を探しに来たところ、乱数とばったり会った。
乱数は女の人と一緒にいたが、その人と別れて少女のもとに駆け寄る。
「こんなところでどーしたの？」
「あぁ、幻太郎さんに本のお礼をしたくて。」
「本？」
少女は紙袋の中から借りた本を取り出し、乱数に見せる。
「なになに〜。＜クローンの科学＞…クローン？」
「うん。」
「…もしかして！大学の課題か何か？」
「乱数天才。あたりだよ。」
「えっへん！ねぇ、おねーさん幻太郎の家に行く前に、僕の事務所でお茶しない？」
「良いよ〜。」
幻太郎と約束していたわけでは無く、和菓子を買ってから連絡をしようと考えていたので、少女は和菓子を買った後に乱数の後についていく。
「どこ行くの？」
「僕の事務所！この前ね、美味しいお菓子を貰ったんだ！」
「何のお菓子？」
「マカロン！」
「やった！」
少女はどうやらマカロンが好きらしく、マカロンと聞いてからキラキラした目で乱数を見つめる。
乱数は少女の手を引いて事務所へと急いだ。
「着いた！」
「うわぁ、久しぶりだ。」
乱数の事務所に着き、少女はソファーに座り乱数を待つ。
「はい！どうぞ！」
「あざす！」
少女と乱数は紅茶とマカロンでお茶会を開始する。
「あ、美味しい。」
「美味しいね！」
「今日はブラック乱数出てこないんだね。」
「何のことかわっかんない！」
そういえば今日は乱数の本性が出ていないことを思い出す。
乱数は最近少女の前で素を出しすぎているため、それがクセになってしまわないように抑えているのだ。
「課題ってどんな課題だったの？」
「あぁ、生物学の課題で＜クローンについてどう思うか＞のレポートだよ。」
「ふ〜ん。難しい課題だね。僕わっかんないや！」
「そうかな？」
「…おねーさんはさ、＜クローン＞についてどう思ってるの？」
「もし、人間のクローンがいるとするのなら、それは＜オリジナルな人間＞だと思うかな。」
「＜オリジナルな人間＞？」
「うん。」
乱数は食べかけのマカロンを置いて少女を見る。
その顔はどこか真剣な表情で、その瞳は不安げに揺れていた。
少女はどうして乱数がこんな顔をしているのかわからないが、自分の意見を乱数に聞いてもらおうと考え、口を開いた。
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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです！気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは！すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで！)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて！ (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません（笑）無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年7月14日 22時
