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日常64 約束 ページ30

コンコン

少女は山田三兄弟に内緒でとある場所に来ていた。
ばれたら一郎に怒られるため、ヒヤヒヤするがどうしても来たかった。

「はい。…Aさん?」

「お疲れの中申し訳ありません。気になったもので。」

「どうぞ、中に入ってください。」

少女が訪れたのは、ヨコハマの控室だった。
ノックをすると銃兎が出迎えてくれた。

「お疲れさまでした。あ、理鶯さん手当残りやりますよ?」

「ふむ、感謝する。」

少女はまだ手当てが不十分な理鶯の手当てをしながら、二人をいたわる。
左馬刻は今控室にはいないらしい。

「うわ、私やりますよとか言いながら下手くそですみません。」

「いや、そこは届かなかったのでありがたい。」

少女は包帯を巻いていくが、思ったより難しく少々歪になってしまった。
少女が申し訳なさそうにしていると、理鶯は頭を撫でてくれた。

銃兎はそんな二人を見ながら和む。

「お二人とも結構吹き飛んでましたが、体の方は大丈夫ですか?」

「えぇ、この程度の傷なら大丈夫ですよ。」

「小官も問題ない。怪我には慣れている。」

ヨコハマの警官と軍人は強いと少女は確信した。

「そういえばAさん、この前左馬刻の所に行ったらしいじゃないですか。」

「あ、行きましたよ。」

「度胸ありますね…。」

「そうですか?門番の友ちゃんとも仲良くなれましたし、楽しかったですよ。」

「今度は私がいるときにも来てくださいね。」

「もちろんですよ!」

「小官の所にもいつでも来るといい。ご馳走しよう。」

「良いんですか!?」

「あ、あの、ちょ理鶯…。」

少女は二人と次ぎ合う約束を交わしていくが、銃兎は聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「ご馳走しよう。」
我々ならまだしも、女性があの料理を受け入れられるのか?
銃兎は是が非でも阻止したいのだが、楽しそうにキラキラした目をする理鶯と少女を見ると何も言えなかった。

「…碧棺さん遅いですね。」

「全く、何処で道草食ってんだ。」

ここで待っていれば左馬刻が来るだろうと、3人は会話しながら待っていたが一向に来る気配がない。
少女はずっとここにいても彼らが休めないだろうと思い、左馬刻を探しに行くことにした。

「私たちは大丈夫ですよ?」

「いえ、探しに行ってきますね。もし、入違っていたら連絡をいただいても良いですか?」

「勿論ですよ。」

銃兎と理鶯に見送られ、少女は左馬刻探しの旅に出た。

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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時

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