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日常49 いざ出陣 ページ15

「ここが中王区…。」

少女は初めて訪れた中王区の外装を見て驚く。
この壁はいったい何の象徴なのだろう。
近くで見るとその高さに圧倒される。

「…お、おじゃましまーす。」

少女は恐る恐る壁の内側へ一歩踏み込んだ。

「貴方が乾様ですね。」

「え、あ、はい。乾です。」

中王区に少し入り進んだところで少女を待つ者が。

「私は中王区で働いています、碧棺合歓と言います。」

「碧棺…?」

少女の中で一つの仮説が出てくる。
果たして碧棺という苗字は多くいるのだろうか。
白くきれいな髪も左馬刻の遺伝子を感じる。しかし、少女は何となくそれを聞けなかった。

「こちら、関係者のみに渡される通行証でございます。無くされないように。」

「ありがとうございます。」

「では、ついて来てください。」

「はい!」

少女は歩き進める合歓について歩く。

「合歓さんの髪の毛、綺麗ですね。」

「え?」

「白い髪、とてもキラキラしていて綺麗です。」

「ありがとうございます。」

少女は沈黙に耐えられず、合歓に話しかける。
しかし、少女が言ったことは少女が心から思っていたことだった。
合歓は唐突な話題に驚いたが、会話をする気はないようだ。

「目も綺麗ですね。」

「…そうですか。」

「はい!…えっとー、今日楽しみですね。」

「ただの娯楽ではございません。」

「は、はぁ。」

_ダメだ、会話が続かねぇ。
少女はしぶしぶ会話を諦め、合歓に大人しくついて行った。

決勝トーナメントの会場にたどり着く。

「ここが会場です。後は中にいる案内人の指示に従ってください。」

「あ、はい。ありがとうございました。」

「…それと」

「?」

「…褒めてくれてありがとう、私も好きなの。この髪。」

合歓は最後に一瞬だけ自然な笑顔を少女に見せ踵を返した。
少女は、最後の合歓が本当の彼女なのだろうと感じた。

「さぁて、行くか。」

少女は、会場内に一歩踏み出した。




「Aさん、遅いですね…」

「いや、まだ時間に余裕はあるぞ。」

「そうなんですけど…」

「まぁ、わかるぜ三郎。早く会いたいしなー。」

「んな!二郎!別に僕はそんなんじゃっ。」

控室では、Buster Brosの三人が少女が訪れるのを今か今かと待っていた。
三人ともどこかそわそわしているのは緊張からではなく、少女を待っているかららしい。

さあ、そんな三人のもとに少女がたどり着くまであと…

日常50 金髪→←第五章 プロローグ



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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時

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