日常35 ハマの夕方カーチェイス ページ43
「ちょっと！警察官さん、とばしてください！」
「わかってます！」
「おい、右行ったぞ！何やってるんだ銃兎ぉ！」
「だったらお前が運転しろよ！」
「あ！左に曲がったぞ入間銃兎！」
「見たらわかるわ！この中坊！」
ギャーギャーワーワー
パトカーの車内は騒がしい。
原因はこのパトカーの前を走る一台の車にある。
道路交通法はとうに破っているであろうスピードで二台の車は夕方のヨコハマを走る。
すると、前に車が山道に入っていった。
前に走る車を運転しているのは腐っていても政治家だ。恐らく人通りの多い所を走り注目されたくはないのだろう。
カーブが続く山道で二台の車は恐れ知らずのスピードで駆け抜けていく。
「おい！入間銃兎！この先まっすぐな道が続くから、そこで行け！」
流石神童といったところだろう。三郎はこの状況でも冷静にスマホで道路の形を調べていたらしい。
「わかりました！とばしますから舌を噛まないように！」
銃兎はさらにアクセルを踏み次のカーブの先にあるストレートに向けスピードをさらに上げる。
カーブを曲がり切り先ほどより車間を詰めた二台の車はストレートに差し掛かる。
パトカーはさらにスピードを上げこのカーチェイスに終止符を打とうとするが、この車も中々に粘る。
「っち。」
銃兎はまたアクセルを踏み車の横に並び、車体同士をぶつける。
パトカーに押された車は山の木々にかすり減速していく。
そこをパトカーが再度ぶつかることで車はバランスを崩し、木々にぶつかりながら遂に止まった。
「「…死ぬかと思った。」」
少女と三郎はようやく終わったカーチェイスに一息つき、生きていることに感謝する。
「さぁ、もう逃げられませんよ。相野谷修樹さん。」
車の中にはエアバッグのおかげで無傷ではあるが相野谷がぐったりとしていた。
銃兎は本部に連絡した後、再度相野谷を見る。
「現行犯逮捕です。」
銃兎の顔は笑っているが、その笑みの裏にある怒りの感情がはっきりと見える。正直、般若のような怒り顔よりもこういった笑みの方が怖いものだ。
銃兎は相野谷の手首に手錠をかけ、パトカーに連行する。
そのパトカーの外には少女が笑顔で立っていた。先ほどの銃兎の笑みにそっくりである。
「おいおっさん、アリアナはあんたの道具になるために生まれてきたんじゃないんだよ。」
少女は相野谷の胸蔵をつかみ睨みつけた。
「これはアリアナの分ね。」
そう言って少女は相野谷に一発ビンタをかました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 722人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いもけんぴ(プロフ) - レイルさん» レイル様、コメントありがとうございます！そうです…そのまさかです…(笑) ありがとうございます！とても嬉しいです！ (2023年1月31日 5時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
レイル(プロフ) - 文豪のやつって、、、！まさか、、、！！((この小説面白くて大好きです！応援してます！！ (2022年12月15日 20時) (レス) @page48 id: 738b0dd677 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 詩音さん» そう言っていただけてとても嬉しいです。これからも乾をよろしくお願いします！ (2020年7月10日 19時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - え…なんですかこれ…好きです…主人公のテンションが可愛いですね!!!!更新楽しみにしております!!!! (2020年7月10日 15時) (レス) id: e70b445cf3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年7月7日 17時
