日常33 パトカーの中では ページ41
「あ、電話繋がった!Aさ…」
『良いわけねぇだろうが!!』
「Aさん!?」
通話中になったスマホから少女の声と誰かのうめき声が聞こえる。このことから少女の身に何かが起こったことが三郎たちに伝わる。
「おい、入間銃兎!」
「わかってます!!」
銃兎はパトカーをとばしヨコハマの街を走り抜ける。
何処にいるかわからないが、おそらく取引現場に居合わせたであろうことがうかがえる。
「Aさん!今どこに…!」
三郎が少女の居場所を聞こうとした瞬間に電話が切れる。
三郎と銃兎の間に緊張が走った。少女が危険だ。
居場所はわからないがとにかく走るしかない。
銃兎と三郎は外に神経をとがらせながら走り抜けていく。
銃兎は三郎に話しかけれなかった。
「…くっそ。」
三郎が泣きそうな顔をしていたからだ。
三郎にこんな顔をさせるほどのAという少女はどのような人なのか、銃兎は助け出して関わるしかない。ハンドルを握る手を強めた。
「おい!入間銃兎!Aさんの位置情報がわかった!」
「どこです!?」
「僕がナビするから、とばせ!」
「わかりました!」
三郎は電話発信先をスマホで調べ、少女の居場所を特定する。
銃兎はパトカーのサイレンを付け、先ほどよりスピードを上げた。
少女が無事でありますように
二人にはそれしかなかった。
「っち。こっから先は車が通らない!」
「行くぞ!入間銃兎!」
裏路地に差し掛かり、これ以上先はパトカーが通らない。
そこには三台の黒い車もあり、これが取引者の物なら少女がこの先にいるのは確定だ。
二人はパトカーから降りて、全速力で走る。
「入間銃兎!その角の先にAさんがいる!」
「わかりました!」
二人が角を曲がって見えた景色は…
「A…さん?」
「え。」
「あれ?三郎〜!…とどちら様?」
少女が楽しそうに倒れた男達にムヒを塗っているというカオスな光景が広がっていた。
しかも目の周りに塗っている。あれは痛い。何とも言えない痛みが襲うやつである。
三郎と銃兎はこの光景に唖然とするしかなかった。
「お!ちょうどいい、銃兎じゃねぇか!」
「左馬刻!?何故あなたがここにいるんですか!?」
後方にいた左馬刻の存在も明らかになる。
「…取りあえず状況を整理しましょうか。」
銃兎は眼鏡をかけなおし、ひとつ咳払いをした。
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いもけんぴ(プロフ) - レイルさん» レイル様、コメントありがとうございます!そうです…そのまさかです…(笑) ありがとうございます!とても嬉しいです! (2023年1月31日 5時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
レイル(プロフ) - 文豪のやつって、、、!まさか、、、!!((この小説面白くて大好きです!応援してます!! (2022年12月15日 20時) (レス) @page48 id: 738b0dd677 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 詩音さん» そう言っていただけてとても嬉しいです。これからも乾をよろしくお願いします! (2020年7月10日 19時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - え…なんですかこれ…好きです…主人公のテンションが可愛いですね!!!!更新楽しみにしております!!!! (2020年7月10日 15時) (レス) id: e70b445cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月7日 17時