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日常22 次の約束 ページ26

この少女はとても不思議だ。幻太郎は目の前でハンバーグを美味しそうにほおばる少女を見て思う。

「夢野さん、そんなに見られると食べにくいです。あ、もしかして一口欲しい感じですか?どうぞ。」

少女は幻太郎が一口欲しくて見ていたと勘違いしてフォークに刺した一口サイズのハンバーグを差し出す。

「あの、そういうわけでは無く…」

「遠慮は良いですよ!美味しいものは共有してなんぼです。」

少女のゴリ押しに根負けし幻太郎は恐る恐る口を開く。

「…美味しいです。」

「ですよね!これはリピート確定です。」

幻太郎は人生初めての俗にいう<あーん>だったのだが、少女はそう言うのに抵抗が無いらしく、もはや幻太郎の方が乙女に見えてくる。

「そのときは夢野さん、また一緒に来ましょう!」

「そうですね。楽しみです。」

また来よう、そんな約束は幻太郎の心をくすぐった。
幻太郎にとっては<友達><次の約束>など少女の何気ない言葉が嬉しかった。

「Aさん」

「何です?」

「…小生のも一口食べます?」

「え!良いんですか!ください!」

これは気まぐれだ。と何故か幻太郎は心の中で言い訳をし、照れながら彼女にグラタンを差し出した。

「ん〜!これはチーズがたっぶりで美味しいです!」

幻太郎の差し出したグラタンを口に入れた少女はとても幸せそうな顔でグラタンをほおばる。
これは、何か楽しい。と少女への餌付けに目覚めた幻太郎は自分のブラックコーヒーと少女の分のケーキを注文し、ケーキをほおばる少女を眺めるのだった。


「本当に良いんですか?ごちそうになっちゃって。」

「はい。声をかけたのはこちらですから。」

「んー、じゃあ今度何かお礼しますね。」

「ふふふ、楽しみにしていますね。」

「任せてください!あ!っと驚くことします!」

「それはそれは…」

幻太郎は既に、周りの人に壁を作るどころか周りの人の壁をぶち壊す少女の生態に驚いているが、それは秘密にしておく。


「わざわざ駅までありがとうございました。」

「女性を送っていくのは当たり前ですよ。」

現在二人はシブヤ駅の改札前にいる。
幻太郎が少女を駅まで送ったようだ。

「夢野さん、またご飯行きましょうね!絶対!」

「えぇ、是非。」

少女はICカードで改札に入り人ごみに消えていく。
幻太郎はそれを少し寂しそうに見送り、<また自分から誘ってみてもいいだろうか>と初めてできた女友達の存在に胸を踊らせるのだった。

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いもけんぴ(プロフ) - レイルさん» レイル様、コメントありがとうございます!そうです…そのまさかです…(笑) ありがとうございます!とても嬉しいです! (2023年1月31日 5時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
レイル(プロフ) - 文豪のやつって、、、!まさか、、、!!((この小説面白くて大好きです!応援してます!! (2022年12月15日 20時) (レス) @page48 id: 738b0dd677 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 詩音さん» そう言っていただけてとても嬉しいです。これからも乾をよろしくお願いします! (2020年7月10日 19時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - え…なんですかこれ…好きです…主人公のテンションが可愛いですね!!!!更新楽しみにしております!!!! (2020年7月10日 15時) (レス) id: e70b445cf3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月7日 17時

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