悪化 ページ38
翌日も仕事を休んだ。
ゴホゴホ・・
昨日は早く寝たのに
咳はひどくなっているようだった。
咳しすぎてお腹痛い・・。
横になると咳がひどくなる。
ソファに座り1日過ごしていた。
厚ちゃん・・・っ
助けて・・っ
咳き込んだ時一瞬
週末に出かけるのを楽しみにしてる
彼が浮かんだ。
私だって・・行きたいよ・・
行きたいけど・・
ゴホゴホ・・
ゴホゴホ・・
夜になるにつれて咳がひどくなり、
頭がぼぉっとしてきた。
あぁ・・
これは・・・・
週末に間に合わないかも・・。
机に置いていた携帯に手を伸ばした。
タクシー・・呼んで
病院行かなきゃ・・
早く治してもらわなきゃ・・・っ
昼間に行かなかった事を後悔していた。
こんな事になるなら
行っておけばよかった・・。
タクシーの番号、いれてたような・・
そう思いながら携帯をいじっていた。
ゴホゴホ・・・
その時だった。
あ・・・っ
履歴のボタンを押してしまった時に
違うところを押してしまった。
昨日登録したばかりの悠仁の番号が
画面に出ていたのだ。
え!あ、あぁ・・っ
け、消さなきゃ・・
そう思ったのに
気付けば繋がってしまっている。
「もしもーし!もしもしー??
どうしたの?」
耳につけていなかったのに声が
響く。
腕をあげるのもしんどいほどだった。
ゴホゴホ・・
「Aちゃん?
どうしたの?!大丈夫??」
スピーカーにしたはいいが
咳まで拾われてしまう。
「ご・・めんなさい。
間違えて電話かけちゃって・・」
私がそう言うと
彼は少し黙っていて
「岩沢さんならすぐ近くにいるけど
このまま代わろうか」
と冷たく言い放った。
今、一緒なんだ・・
そっか、お仕事か・・・
「だ、め。
代わっちゃだめ・・・
心・・配・・かけたく、ないから・・・・っ」
言葉にならないくらい
途切れ途切れの言葉なのに
「そうなの?
岩沢さんにかけようとしたんじゃないの?」
と私の言葉を聞き取ってくれて
いつのまにか優しい口調に戻っている。
「・・病院・・行こうと思って・・
ゴホゴホ・・・
タクシーをよぼ・・うと思って・・」
咳が出てうまく話せない・・。
「・・ちょっと待ってて!
俺が行くから!家の鍵だけ開けといて!!」
急に彼は声を荒げ
電話が切れた。
ツーツーツー・・・・
その音だけが部屋に響き渡っていて
今、どういうことになったのか
一言一言を思い出していた。
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miu(プロフ) - みくさん» みく様 ご指摘ありがとうございます。外せてませんでした( ゚д゚) (2018年9月10日 0時) (レス) id: ccb9a6d634 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - オリフラ外さなくていいんですか? (2018年9月10日 0時) (レス) id: 5382e69d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miu | 作成日時:2018年8月28日 23時