痛いのは最初だけ４【佐野玲於】 (ページ37)

今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:321,039 hit

サンジュウナナページ37

★

A『た、ただいま。。』

玲於『お邪魔します。』

とうとう家に着いちゃった。。

お父さんにどう顔合わせたらいいかまだわかんないけど、玲於くんと一緒に玄関くぐるの２回目だなぁってどこか冷静な自分もいる。

昨日ぶりのお父さんはとてもお怒りかと思えばまさかの安心したような柔らかい表情、、？

お父さん『、、やっと帰ったか家出娘。いつからそんな子に、、、』

玲於『ほんとっすよ。俺でも家出したことないのに。』

A『あー！！助けてくれるみたいな言い方したくせにお父さんの味方して！！玲於くんの裏切り者！』

玲於『ふはっ(笑) 不良不良～。』

お父さん『玲於、Aはそんなに不良じゃないぞ、、、不良は言い過ぎだろ。』

玲於『出た！溺愛。父ちゃん本当に過保護(笑)』

A『ちょっと、、、なにこれ。』

二人の仲良しなやり取りに調子狂う。。

お父さん『、、まぁ、玲於も上がりなさい。色々話しもある。』

急に真剣な顔していつものお父さん。

これは、、やっぱりお説教を覚悟しなければ。。

さっきから私ばっかりワタワタして情緒不安定。

隣りに居る玲於くんの顔をチラッと伺ってみたら、私と違ってどこか穏やかで。

緊張するとか言ってたくせに！って思ったけど、それ見てすごく安心したの。

全部覚悟できる。

リビングのテーブルを挟んで向かいにお父さん。

少しの沈黙。

でも何から話そう。。。兎に角、心配と迷惑かけたこと謝らなきゃだよね。

ひとこと目が中々口から出ない。。

玲於『ほら、Aから言うことあるでしょ。』

戸惑ってたらちゃんと玲於くんが背中押してくれて

A『あ、、、うん。お父さん、あのね、』

しっかり目を見て言わなきゃって顔上げたら

A『え？、、、お父さん？な、泣いてるの？』

玲於『父ちゃん？、、』

お父さん『、、よかった。うんうん。本当によかった。。』

A『そんなに心配した？、、お父さんごめんね。 ...本当にごめんなさい。すごく迷惑かけて。。。お父さんには一番苦労かけたらダメなのに。私、、』

...初めて見るお父さんの涙。

お母さんが亡くなった時にも私だけには見せなかったのに。。

私はとても親不孝な娘です。。

こんな娘でごめんね、、、

罪悪感でいっぱい。私も涙が溢れて止まらない。

お父さん『A、、』

A『は、はい。』

自然と背筋が伸びる。