痛いのは最初だけ４【佐野玲於】 (ページ36)

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サンジュウロクページ36

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アイちゃんすごい拒否られて結局貰ってくれなかったけど、、

準備していざ我が家へ！

うちまでの短い道、さっき玲於くんが結婚とか言ってたの思い出して、、、違う意味で帰るの緊張してきた。。

A『お父さん、、、怒ってるかな。』

玲於『心配かけまくったからね。』

家出して、昨日の夜だって走って逃げちゃったし、、、

ましてや、玲於くんを好きって言ったらどうなっちゃうんだろう。。

お父さん本当に禿げちゃうかも。

A『玲於くん、、もし、私たちのこと反対されたら、、、どうする？』

玲於『、、俺は父ちゃんがAを大事に思う気持ちは痛いほどわかってるから、反対されたら無理矢理押し通すとかはしたくない。』

A『、、、』

反対されたら、、別れるってこと？

玲於『でも俺も諦めるつもりない。大切にしたい気持ちも守ってやりたいって思うのもAだけだから。認めてもらえるように頑張んないと。』

A『、、、認めてもらえなかったらお別れなの？』

玲於『言ってんじゃん、諦めるつもりはないって。大丈夫、離れたりしない。でしょ？』

A『うん。もう遠くに行かないでね。』

玲於『傍にいる。だからさ、Aも家出なんかしないでちゃんと近くに居る人、、父ちゃんも大切にして。わかった？』

A『うん。、、ありがとう玲於くん。』

玲於くんが居てくれたから、私もうどんなことがあっても大丈夫。

もう痛みに囚われて傷つくことから逃げたりしない。

だってこんなに大切に思われてるから。

本当に大切にしてくれる人が居たら、心に出来た傷だっていつの間にか消えてる。って今なら少し理解できる。

玲於くんだけじゃなくて、私はお父さんにも友達にも周りの色んな人に沢山大切にされてて、ずっと１人で傷を抱えてる気になってたけど違ったの。

愛情って色んな形があって、大切にしたり大切にされたり目には見えなくても確かに感じられる温かいもの。

それがきっと傷を包んで埋めてくれる。

目に見えないからたまに忘れちゃうけど、それだけは記憶から消えることはないから。

お母さん。

私のこと愛してくれてたこと亡くなっても無くならないよ。

傍に居れなくなってもずっと傍にあったね。

無くしてなかった。

１人になることが怖かったけど、ずっと１人じゃなかったよ。

歩き出したら空がすごく青いこととか何気ないことに気がつけた。