王子なんてくそ食らえ３【佐野玲於】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:213,661 hit

にページ2

★

握りしめたスマホの画面、玲於って表示見つめてたら、遠くにバスが見えてきた。

立ち上がった涼太くんに合わせて私も立ち上がる。

っ！！

A『涼太、、くん？』

返信しなきゃって目を手元に落とした瞬間、優しく空いてる手を握られた

突然のことで一瞬何が起こったのかわからない

玲於とは全然手体に力が入る

涼太『Aちゃん、、、』

雨の音に重なる涼太くんの声は消えちゃいそうだけど

咄嗟に振りほどいて涼太くんを突き放す。

涼太『ねぇそんなに玲於しか見えない？』

玲於しか見えない自分でもどうしようもないくらい

やっぱり涼太くんの気持ちには応えられなくて

A『、、、、、ごめんなさい。私、は、、玲於が好き』

ちょうどバスが来てドアが開く。

涼太『、、そっか。やっぱ無理か、、、ずっとごめん。
1秒でもAちゃんが玲於のこと忘れたりしないかなって毎日焦ってた。もうこんなことしない。ごめん、、、玲於とうまくいくといいね。。』

それと、玲於Aちゃんを探してると思うから、バス乗らないで戻った方がいいよ。って

そう言った涼太くんは私にハンカチを返すと傘も置いて走っていった。

一人取り残されたバス停

しばらく開いてたバスのドアが誰も乗らないってわかって出発する

一歩も動けない

そんなこと言われたら乗れないよバス、、

握りしめてたスマホがまた震える。

その画面には

着信：【佐野玲於】

表示されるこの名前、、、

どんな理由でもいいから私を探してるってほんと？
震える指で通話ボタンを押す。

玲於【、、、A？】

ただ名前呼ばれただけで勝手に涙が出てきた。

玲於の声

今すぐ会いたい

A【、、どうしたの？】

泣いてるのバレないように、普通にしゃべらなきゃ。

玲於【見つ、た。、、んで、、、だよ。】

電波が悪いのか、バス停の屋根に雨が当たる音も大きくて聞き取りづらい。

A【ぇ...よく聞こえない。】

って言ったら電話が切れた

玲於『、、、何で泣いてんの、』

大好きな声がすごくリアルに近くから聞こえる。。。

振り返ったら傘もささないで走って来たのか、呼吸の乱れた玲於が目の前に立ってた。

一瞬でまた心拍数があがる。

A『、、、なんでいるの、』

玲於『...俺が聞いてんだけど、、』

目の前にいるなんて幻じゃないよね？