王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ43)

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帰ってから先にお風呂入ろうかなって脱衣場まで来たけど
玲於の家の鍵開けっぱなしだ、、って気づいてスマホを手にした。

その瞬間

着信:[佐野玲於]

っ！！以心伝心？

慌ててスマホ落としそうになったけど、ドキドキする気持ちを沈めてから電話に出る。

A『も、もしもし？』

玲於『A』

A『うん。どうしたの？』

玲於『ん、や、気づいたらお前居なかったから。、、、ちゃんと迷子になんないで帰れた？』

A『もちろんちゃんと帰れました！
黙って帰ってごめんね。起こしたら悪いと思って、、あっ家の鍵ちゃんと閉めてね。』

玲於『ありがとう、助かった。』

A『具合はどう？』

玲於『うん、だいぶいい。薬もポカリも飲んだから大丈夫。』

A『そっか。よかった！でもまだ辛そうな声。』

玲於『そ？だったら...風邪のせいじゃないよ。』

風邪のせいじゃない？

A『何かあったの？』

玲於『、、、いや。
明日は学校行くから。起こしてくれんでしょ？』

A『あ、、でも、無理しないで休んで？』

玲於『や。。。あとさ、』

A『何？』

玲於『あのさ、、俺が今日は連れて来ちゃったけど、男友達でもさ、、まぁ、やっぱ男だし。
他の奴ん家とか、、、とりあえず男の家に一人で行ったりすんのやめな。家あがらないで無理にでも帰って。』

A『、、、』

それって、今日も無理にでも帰ればよかったってこと？

さっきはありがとうって言ってたのに、、、

玲於『自覚なさすぎ。』

A『、、、、、、ごめん。』

泣きそうなのバレないように必死に我慢する。

男友達、、。

玲於にとって私は友達。わかってるよ。。。

自覚なさすぎ。って、玲於にとってはただの友達で、それ以上にはなれないから自覚しろってこと

私...振られた？、、、突然すぎて、、予想以上にキツイ。
拒絶されたみたいで息が出来ないよ、、、

もう流れ出した涙がポタポタ止まらない。

玲於『や、謝ることじゃないけど。。今日はありがと。じゃ、、、また明日。』

A『、、、うん。』

切れた電話を握りしめて、膝から崩れ落ちた。止まらない涙を拭くこともできないくらい。

お母さんに泣き声聞こえないように、必死に声を押しころす。

あぁ、、、やっぱり近くなったと思うと遠くに行っちゃう。

だいたい玲於に振り向いてもらおうなんて高望みすぎだよ。

頑張ってもこの手は届くわけない。