王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ42)

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玲於『、、、いい。』

何それ。何で

呼吸も苦しそうで、顔も赤くて、涙目で、舌っ足らずで、、、ちょっと甘えてるみたいな玲於。

全部風邪のせい？

そんな顔で見つめられたら私が熱出るよ。。。

A『治らなきゃ困る、、、』

待ってて。ってもう一度言ってドキドキする心臓落ち着け！って玲於の部屋から飛び出した。

ここらへんの店なんてわからないから、駅まで自転車走らせて薬局で風邪薬と冷えピタとポカリ買って急いで戻る。

またお邪魔します！って言ってから今度は玲於の部屋に直行して、部屋の前で深呼吸してからノックして入った。

A『、、、玲於？』

部屋に入ると静かで返事もない。玲於はベッドで横になって目瞑ってた。

寝ちゃった？

玲於の寝顔、、、ベッドのすぐ近くに座ってまじまじと顔を覗きこんだ。

可愛い。寝顔が天使って小さな子供だけじゃないんだね。。。

、、、寝顔みちゃった。彼女ならいつでも見れる？ってバカみたいなこと考えて一人で落ち込む。

買ってきた冷えピタを出して、起こさないように前髪上げておでこに貼った。

玲於って前髪上げると雰囲気変わる、こっちもかっこいいな。

布団かけなおして、ゆっくり髪の毛を撫でてみた。

愛おしすぎてこうしたいって勝手に手が動いた。

友達の関係でいた方がもっと長く続くのに、友達以上を求めちゃう。だからきっと好きだけじゃ足りなくなって欲張りになる。

どれだけ想えば届くだろう。どれだけ想えば伝わるだろう。
言葉にしなければ届くはずないのに、言葉にすれば失うのがわかるから、言葉に出来ない。

A『、、、ずっと友達でいてくれる？』

思わず声に出してた。

本当は友達のままを願ってなんかいないけど、私が玲於の特別を望まなければこのままずっと側にいれる？って心の中でつぶやいた。

髪の毛もう一度撫でたら、ん～、、、って寝返りうってこっち向いた玲於。
慌てて撫でるのやめてそっとベッドの横で息をころす。

玲於の動いた手がたまたま私の手に重なる。

体温が高いせいか、冷たい私の手に温もりがよく伝わった。

あの日、手を繋いだことも二人乗りで帰ったこともすごくすごく嬉しかったな。

いつ思い出しても泣けちゃうくらい。

大好きだよ。

名残惜しいけど、そっと重なった手をほどいてテーブルに買ってきた薬とか置いてからこっそり帰ることにした。

本当は玲於が起きてたなんてこの時の私は知らないまま、、、。