僕の手で溶かしたい(yt×ym)

＃32 新たな手がかり ★ ページ32

まずはやまに謝らないと。

でもどうやって……？

今のやまはたぶん俺を近づけさせてはくれない。




「……あ、いた！！」




「八乙女先輩……と、薮先輩」




1人でブツブツ言いながら歩く下校中。

ぐいっと肩を引かれて視界に入ったのはよく知る先輩たちだった。




「…山田に何かあったのか？」



「急にごめんな。最近落ち着いてた涼介が急に学校サボって暴れだしたって聞いて…」



「……ごめんなさい、俺のせいなんです」




知念たちにしたのと同じ話をした。

やまのことを傷つけたんだ、殴られるぐらいの覚悟はしていた。

なのに…………




「そうか…それは大変だったな」



「話してくれてありがとな」




2人から返ってきたのは想像以上の反応だった。




「…なんでですか…………」



「…裕翔？」



「…俺、やまのこと泣かせたのに…なんでそんなに優しくしてくれるんですか…」




軽蔑されても仕方ないって思ってたのに。

こんなに優しくされるなんて……




「だって…これからはもっとアイツを笑わせてやる気なんだろ？」



「苦しんでるの見て責めるなんて出来ないしさ」



「いいんですか？これからもやまの傍にいて……」



「当たり前だろ？これからも涼介のことよろしくな」



「…薮、話してもいいと思うか？あの話……」



「光が話すべきだって思ったなら話した方がいいよ」




「わかった。裕翔…お前に話しておきたいことがある」



「は、はい…！」




話……？なんだろ。

でもなんだかすごく重要な話の気がする。




「山田がガキの頃の……親父さんとの話だ。優しくてかわいかったアイツが強くなった理由……」

#33　凍てついた心　☆→←#31　先生の口から　☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す