ゼン×ホワイトデー ページ41
ホワイトデーのお返しに厨房に立った事もない俺が手作りで返すことは出来ないのでプレゼントを買うため時間を取ってAと2人で城下に出かける事にした。
ゼ「お返しだから好きな物選んでくれてかまわないからな」
『ん〜そう言われるのが1番困るんだよ！』
ゼ「ドレスか？装飾品か？」
『いや、そういうパーティーに使うのは一般人の私にはあまり縁がないからなぁ…』
2人で悩みながらいろんな店に入っては出ての繰り返しだった。
ゼ「難しいなぁ、少しあの店で休憩するか」
『うん、そうしよう。歩くのちょっと疲れたし』
店に入りお昼前だが少し腹ごしらえをしていると、Aが席を外したタイミングでちょうど用足しに来ていたオビに会った。
オ「おっ、主。プレゼント選びは終わったんで？」
ゼ「いや、それが全くなんだ…」
オ「はいっ？あんた何やってんすか。もしかしてお返しだからA嬢に好きなの選んでもらおうとしてます？」
ゼ「なんでわかったんだ…おまえ」
オ「はぁぁぁぁ、わかってないっすねぇ。お礼なんだから主がA嬢の事を考えて選んだ物だからこそ意味があるんすよ」
ゼ「…そうか、だからAはなんか困った顔をしていたのか」
オ「主、女心も勉強しなきゃダメですよ？」
ゼ「あぁ、悪かったなオビ」
Aが来る前にオビと別れ、再びAと買い物に出かけ、雑貨類を扱う店に入る。
ゼ「なぁ、A。これ２つ買ってお互い同じ物を一緒に使うっていうのはどうだ？」
店内に入って目についた物、俺が手にしたのは黒のシンプルなデザインの万年筆。
ゼ「俺も日常的に使うし、白雪も薬室で使う機会あるだろう？…それともお返しにしては少し地味か？」
『ううん！すごくいいと思う！使ってる時ゼンの事いつも思い出せるし、何よりゼンとお揃いだから！』
ゼ「…！そうか、じゃあこれに決まりだな」
無事プレゼントも買え、オビのおかげでプレゼントも選べたしあいつにも何か買ってってやるか。
＿＿＿数日後
ミ「オビのそれはなんだ？」
オ「これすか？主から知恵を貸したお礼でもらいました」
木「オビに似てるね」
ミ「そうだな。ゼンも似てるから買ったのかもな」
オ「なんすか2人して、似てる似てるって。まぁそうは言っても俺もこれ結構気にいってるんですけどね」
オビの胸元のポケットには金色の目をした黒い猫のシルエットが描かれた万年筆が入っていた。
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年4月16日 23時
