【d!】ペットの人間ちゃん

2人目 ページ22

ci「Aさん、お見舞いに来ましたよー」



『チーノさん、ありがとうございます』





ひょこっと扉の隙間から顔を覗かせたのはふわふわとした水色の髪の毛。



眼鏡の奥にあるオレンジの瞳はにこりと微笑まれた。





ci「ごめんな、ゾム今日来られへんって。今理性失っとるから」



『…そう、ですか』






俯いていると視界には美味しそうなクッキーが広がる。



聞くとチーノさんとトントンさんで作ったらしい。チョコペンで豚さんマークが描かれている。






『…あの、質問いいですか』



ci「ん？あぁ、変なもんは入れてへんで？」



『いえ…そうではなく』





俯かせていた顔を上げるとチーノさんと目が合った。



さっき見たオレンジの瞳は眼鏡が反射していて見えやしない。





『さっきショッピングモールに行ってなんとなく分かったんです、人外特有の匂いが』



ci「…んまぁ、人外からみたら人間の匂いも独特やけどな」



『それなのに、チーノさん』









『貴方から、人外の匂いが全くしないんです』









『チーノさん、貴方は、』









『人間ですか？』









彼は白い歯を見せた。

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