【d!】ペットの人間ちゃん

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彼は一瞬だけ眉をピクリと反応させたが表情には出さず。





kn「…同情させるつもりか？」



『コネシマさんの、その目は、父に似ていて…だから！
コネシマさんを使って勝手に発散させていただきます！』



kn「はっ…？」






今の今まで塩らしい態度を取っていた私が急にキャラを変えたらそれはもう驚きだろう。


彼はパクパクと金魚のように口を動かしているが発声をまるでしていない。






『お父さんは機嫌が悪い時に火がついた状態の煙草を私の体に押し付けたのを私は一生忘れない！』



kn「いや、」



『あと私をサンドバッグみたいに殴るなら女遊びに使ってるお金をジムに回せ！』



kn「それ…」



『最後に！抵抗出来ない私を押さえ込んで無理矢理行為を始めたのを私はぜっっったいに許さない！！』



kn「俺ちゃうやん…」





明らかに先ほどとは違う彼の狼狽えように私は深く深くお辞儀をした。





『…取り乱しました。申し訳ありません』



kn「お、おん…飯食いに行こか…」





…よくよく考えてみれば私が食料になるのを自分の手で早めたのでは？



なんと滑稽な事をしたのだろう。死後はきっとご先祖様総出で私のことを笑い者にするだろう。



それは嫌だと脳内で未来予想図を展開していると突然声をかけられた。





kn「…さっきの、人間らしいAの方が俺好きやで」





今までロボットみたいでつまんなそうだったから、と彼は自身の頭を乱雑にガシガシと掻いた。



先ほどとは打って変わって歩幅を少し合わせてくれている彼に再度頭を下げた。





『…ありがとう』



kn「…おん」

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