虹空059 ページ40
[Noside]
「そもそもオメー は一体何を考えてんだ?」
「何が?」
「いつも用意周到なオメーにしては、珍しく手抜きじゃねぇか」
キッドは事前に盗む物と相手を徹底的に調べ、巧みな出演を披露して見せる。
だが、今回は豪華客船で知ったであろう情報を頼りに、その場に合わせ仕掛けている。
その事に気づかないコナンではない。
コナンの言葉にキッドは不服そうに答える。
「仕方ねぇだろ。キャバッローネ社長が意外に切れ者で調べれなかったんだよ」
「オメーでもか?」
「ああ」
キッドは情報を手に入れようとキャバッローネ会社社員に変装し侵入しようとしたが、出入り口に入った瞬間にバレてしまい何回も取り押さえられそうになった。
この後も様々な方法で会社に潜入を試みたが、全て失敗で終わった。
その為、キッドは潜り込めた豪華客船でしか指輪と所有者の情報を手にれなかった。
「キャバッローネ社長といい所持者の2人にこうも簡単に(変装を)見破られると自身をなくすぜ」
「沢田さんと獄寺さんは特殊だと思うぜ」
勘と髪の長さ(沢田さん限定だと思うが)で見破られたのを知ったら、さぞかし驚くだろうとコナンは内心で思った。
「で、どうする名探偵。お前だってもう解って来てるんだろ?」
キャバッローネとあの子供達が何者なのかを。
コナンの表情が険しくなる。
「だからと言ってオメーと手を組む理由に…」
「俺以外にも指輪を狙っている黒ずくめの奴がいると言ってもか?」
「黒ずくめの人間!?」
黒ずくめにコナンと灰原は大きく反応を示す。
キッドの真剣な表情に嘘ではないと分かる。
「でもどうして貴方がその事を知っているの?」
「知ったのは偶然だぜ。狙っていた宝石の下調べをしてた時、黒ずくめの奴らが話をしていたのを聞いたんだよ」
訳を話すとしても他の宝石を狙っていたと良く堂々と言うわね。と、灰原は思った。
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