虹空032 ページ36
［Noside］
「だ、大丈夫ですか？それ…」
「うーん、大丈夫でしょう。怪我が多ければ私やルッスーリアさんが治すので」
獄寺は鮫の急所である目や鼻を殴ったり蹴ったりして怯んだ隙にミニボムで何とか倒す事が出来た。
10匹倒したことで、ビアンキからロープを下すのを許された。
「ゼェー…ゼェー…さ、沢田さん、見事…鮫10匹、倒してみせました…」
「獄寺君！良かった無事でっ！！」
何とか自力で船に登ったが、動きにくい海の中で鮫を10匹倒すのは相当体力を奪われるため、獄寺は疲弊仕切っていた。
そんな獄寺に笑顔でビアンキが近づく。
「本当によく倒したわ隼人、さぁ怪我を見せなさい私が治療するわ」
「ぐはぁっ！！！！」
「獄寺君！！」
トドメとばかりにビアンキの顔を間近で見てしまった獄寺は白眼を向いてその場に倒れてしまう。
「もう、隼人ったら倒れるほど照れなくてもいいのに」
「え…アレって、照れて倒れたの？」
「いえ、僕の目には恐怖で気絶したように見えます」
「あの姉ちゃんの目、可笑しいんじゃねぇのか？」
子供達がヒソヒソと話しているとビアンキは、獄寺の腕を自分の肩に回し立たせる。
「び、ビアンキ！ 獄寺君を何処に連れて行くの！？」
「何処って、医務室よ」
ビアンキは頬を染め照れながら言った。
「リボーンが、隼人が鮫を倒したら褒美に私が手厚く介抱してあげなさいって言うのよ。本当に優しいんだから」
「優しくない！全然優しくないから！」
ビアンキの発言にまたしても綱吉は否定をする。
獄寺にとって鮫と闘うよりも辛いペナルティである。
「お願いだから獄寺君の看病はしないで！ 」
綱吉は獄寺のために、介抱しようとするビアンキを全力で止めに入る。
「獄寺君の看病は俺がするから、ビアンキはしないで！」
「何を言っているの姉の私が看病した方が隼人も喜ぶわ」
「獄寺君が一生目を覚まさなくなるから！」
ベットの上で白眼を向きながら、ビアンキに看病される獄寺を想像した綱吉は、ついそう叫んでしまう。
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