虹空030 ページ32
［Noside］
「ご、獄寺君早く登ってきて！」
そう叫んだ瞬間に綱吉の真横から何かが通り越し海に落ちた。
その何かは海に落ちると一面を赤く染めていった。
「え！？あの赤いの何？ 何が落ちたの！？」
綱吉は落としたであろうビアンキを見ながら言う。
「さっきのは魚の血よ」
「私が準備しました」
ビアンキとヨミはシラッとした顔で言い切った。
「何でそんなの準備して海に落としたのー！？」
そんな事をしたら血の匂いで余計に鮫が集まる。
「キャー！ 獄寺お兄さんの周りに鮫が！」
「おい、あの兄ちゃん喰われちまうぞ！」
子供達の言うように獄寺の周りには血の匂いで鮫が集まってきていた。
流石に綱吉達に警戒して近づこうともしなかった灰原も獄寺を心配する。
「わぁあ！ 鮫がもうあんなに！」
「このままじゃあ、獄寺お兄さん死んじゃう！」
「落ち着けお前ら！ 獄寺！このロープに掴まっ…！」
ディーノが内輪の付いたロープを海に投げようとしたが突如、ビアンキがポイズンクッキングで攻撃をしてきた。
ディーノは間一髪でそれを交わす。
「隼人のペナルティの邪魔はさせないわ」
「弟が鮫のエサになりかけているのに何言っている。 獄寺がどうなってもいいのか！？」
本当に獄寺の命が危ないため、ディーノは救助の邪魔をするビアンキに本気で怒る。
ビアンキはディーノの言葉に対し、瞳を潤ませ涙を流す。
「……私だって心を痛めているわ！ …でも、指輪を盗られたからにはリボーンの言う通りペナルティを受けなきゃいけないのよ！」
「ペナルティが重すぎだろ！」
ディーノは思わずツッコミを入れてしまう。
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