虹空028 ページ28
[Noside]
「…分かりました、言ってきますね」
「あぁ、頼むぞ」
リボーンの指示通り豪華客船のバルコニーへと足を運んだ綱吉達は中央辺りで集まる。
「誰もいないね」
辺りを見回しても綱吉達以外の影すらなかった。
リボーンに指定された広間のバルコニーは沢山の飲食店とテーブル椅子が設置され、飲食を楽しみながら海を眺めたり夜景を楽しめれる様になっている。
そんな所に誰1人も居ないのは可笑しい。
「な、何だか嫌な予感しかない…」
ツナの超直感が何かを訴えている感覚に肩を震わしていると、北に進んでいた豪華客船が急に止まった。
「あれ? どうして止まったのでしょう?」
「何かやんじゃねぇのか?」
「それならする前に放送か何かで知らせますよ」
少年探偵団が色々と話ていると其処にディーノ達がやって来た。
「ツナ!」
「ディーノさん! スクアーロ!カエデさん!ヨミ!」
「獄寺のリングが盗まれたって本当か!?」
「…はい」
その事に獄寺は不機嫌そうに顔を背ける。
「だいたいの経緯は電話で聞いたが、まさか獄寺が盗られるとは」
「キッドがツナお兄さんに変装していたんだ」
コナンの言葉にディーノは納得する。
獄寺は綱吉に対してだけ素直に従っている。
その様子を見たキッドは綱吉の姿で獄寺に近づいたのだろう。
「ねぇ、ディーノお兄さん。どうして船が止まってるの?
「ん、ちょっと止めるよう言われてな」
「言った人の名前ってリボーン?」
「!?」
コナンの口からリボーンの名前が出てきた事に驚く。
だが、ディーノは直ぐに冷静を取り戻す。
このメガネの子供は洞察力が並の大人よりも高い。
そして自分も含め綱吉達を会話でリボーンの名を口にしていた。
その会話を聞いて名前を知ったのだろう。
ディーノは困った顔で笑う。
「確かに、そのリボーンにヨミを通して言われ船を止めたんだ。でも、これ以上は聞くなよ。……世の中には知らなくて幸せなことがあるんだ坊主」
「う、うん…」
ディーノの一見爽やかな笑顔を見せるが、一瞬だげ瞳の奥に冷たい何かを感じたコナンは首を縦に振る。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ