虹空027 ページ26
[Noside]
「申し訳ありません沢田さん!!」
獄寺は割れた流れたとはいえガラスの破片や水槽から溢れ出た水で濡れた床に額をつけながら土下座を綱吉にする。
「ご、獄寺君…」
綱吉達はカードに書かれた意味と獄寺の態度で、嵐のボンゴレリングがキッドに盗られたことを察する。
自分を責める獄寺に何と声を掛ければいいの綱吉はか困っていた。
「そ、そこまで自分を責めなくていいよ獄寺君」
「いいえ、俺は自分が情けなくて仕方がありません…! キッドと気付けていたのに指輪を簡単に盗られてしまったんです…貴方の右腕として俺は大失態をしてしまいました…!」
もう右腕失格です!と、震える声で言いながら獄寺は頭を上げようとはしなかった。
一向に頭を上げない獄寺に少年探偵団も少し不安そうに見つめる。
不穏な空気が流れる中、山本の明るい笑い声が廊下に広がった。
「ツナの言う通りだぞ獄寺、いくら責め続けたって指輪を盗られたのは変わらないのな」
笑顔でドストレートに言う山本に、獄寺は顔を上げて叫ぶ。
「うっせぇ! んなことは分かってんだよ!」
「だったらよ、やらなきゃいけないのは謝り続けるんじゃないだろ?」
「!!」
急に真面目な顔で話す山本の言いたい事を理解した獄寺は何も言い返せなかった。
「……チッ!」
獄寺は立ち上がり綱吉に向き合った。
「お見苦しい所をお見せして申し訳ありません沢田さん…俺は指輪を盗られる失態をしましたが必ず指輪を取り返し、貴方のお役に立ってみせます!」
「うん、指輪を必ずキッドから取り返そう」
いつもの調子に戻った獄寺に、綱吉は笑顔で頷いた。
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