大空026 ページ25
Noside
「獄寺くん、一体どうし…」
ツナは獄寺の前を走る人物を見て言葉を失う。
それは山本や少年探偵団も同じだった。
もちろんキッドが変装したツナが目の前にいるからだ。
「えぇ!? お、俺!?」
状況を理解出来てないツナ達は当然驚き出す。
「えぇ! ツナお兄さんが二人!?」
「何で向こうにもツナがいるんだ?」
「沢田は双子だったのか?」
「ち、違うから! 俺も何で俺があそこに居るのか訳が分からないよ!」
山本と了平の質問にツナは思いっきり横に振る。
何故、目の前にから自分が走って来ているのか分からないツナは動揺を隠せなかった。
ツナが動揺している間に、いち早く状況を判断したコナンはそうツナに叫んだ。
「キッドだよ! キッドがツナお兄さんに変装したんだ」
「沢田さん!気をつけて下さい!目の前にいるのはキッドです! 気をつけて下さい!」
コナンと獄寺が同時に言った。
そして2人の言葉のおかげで瞬時に状況がわかった山本はキッドに向かって走り出した。
「クロームと先輩の指輪を返して貰うのな!」
「それはお断りします」
山本がキッドを捕らえようとした瞬間、キッドは壁面の水槽に向かってトランプ銃を打ちはなった。
トランプが水槽のガラスに貫通し、そこからガラスが大きく割れ大量の水が廊下に流れだした。
「冷たっ!」
大量の水が上から襲ってきた事で山本、獄寺はその場に立ち止まる。
「獄寺くん!山本! 大丈夫!?」
ガラスの割れる大きな音に、2人がガラスで怪我をしていないか心配する。
「ああ、ずぶ濡れになったけどな」
「俺もです沢田さん」
二人に怪我が無いことにツナはホッと安心する。
「っ! おい、野球バカ! キッドが居ない!!」
「何!?」
獄寺と山本の間に居たはずのキッドの姿がなかった。
「皆さん、これを…」
ミカが持ってきたのは…キッドカード。
【嵐の指輪を頂きました 怪盗キッド】と書かれた1枚のカードが落ちているだけだった。
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