虹空026 ページ24
[Noside]
「言って止めねぇなら力ずくで変装を解くまでだ!」
獄寺は一気にキッドとの距離を縮め、捕らえるべく右手で首を掴もうとしたが…。
「う、うわぁぁ!! ご、獄寺君!止めて!」
「!!?」
キッドが綱吉の姿で怯える演技に獄寺は捕まえようとした右手を止めてしまう。
ニセモノと頭では分かっていても獄寺は怯える綱吉の姿に止まってしまう。
そんな獄寺の姿にキッドは口元に笑みを浮かべる。
「家族構成までは情報不足でしたが、貴方については十分に情報を手に入れました。貴方は沢田綱吉に強い忠誠を持っているため、ニセモノと分かっていてもこの姿には何も出来ない」
キッドは怯えた表情から一転、イタズラが成功したかのように意気揚々とした笑みを獄寺に見せる。
「実際に、貴方はニセモノだとわかっていても戸惑ってしまうでしょ?」
キッドがそう言い終わると同時に獄寺の顔に向かって、懐から取り出したトランプ銃で撃ち放った。
「っチィ!!」
超至近距離だったが、獄寺は何とかトランプを交わす。
しかし、その勢いでチェーンで繋がれたボンゴレリングが服から飛び出ると、キッドはすかさずトランプ銃でチェーンを打ち切った。
チェーンが切れるとキッドは嵐のボンゴレリングを奪い逃走する。
「なっ! おい、待て!」
「貴方が持っている嵐の指輪は頂いていきます!」
「誰が逃がすか!」
一瞬の出来事に獄寺は遅れながら逃げるキッドを追いかける。
「くっそっ…! チェーンを切るとかあのトランプ何で出来てんだよっ!」
獄寺は悪態を付きながらキッドとの距離をどんどん狭めていく。
キッドはその獄寺の身体能力に感心を示す。
「なかなか足がお速いようで! 」
「テメェがノロマなだけだろうが!」
「それは、どうでしょう?」
距離がどんどん狭まっているのに何処が余裕の表情を見せるキッド。
そんな会話をしている間にレストランと同じ様に壁が大型水槽で出来た廊下まで来ると、前から複数の人の影があった。
「あれ、獄寺君?」
人影の正体は綱吉(本物)達だった。
なかなか来ない獄寺を心配した綱吉(本物)達は獄寺を迎えに来てたのだった。
「沢田さん!!」
獄寺はてっきり店にいると思っていた本物の綱吉が其処ににいる事に驚く。
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