虹空025 ページ22
[Noside]
獄寺は綱吉達がいる喫茶店へと向かう途中、背後から聞き慣れた声で名前を呼ばれた。
「獄寺君」
「沢田さん!?」
振り返れば、小走りで自分の所に来る綱吉が居た。
綱吉を視界に入れると獄寺の表情から笑顔が表れる。
「どうしたんですか? お一人で居るなんて、何かあったんですか?」
「実はランボが突然にかくれんぼを始めちゃって、それで皆で捜してる途中なんだ」
「なっ! アイツまた沢田さんにご迷惑をっ!」
「落ち着いて獄寺君。ランボはまだ子供だし、言っても聞かないからね」
「そうれはそうですが…」
綱吉の言う通り自分勝手のランボに何を言っても無駄なのを知ってる獄寺は深いため息と一緒に頭を抱える。
「まったく…少しはメガネのガキたちを見らなって大人しくして欲しいですよ」
「あはは…少しだけね」
少年探偵団の落ち着きと聞き分けの良さに、綱吉も少しランボも見らなって欲しいと思っていたのか獄寺に同意する。
「それより獄寺君、一緒にさがしてくれない? ランボ1人じゃ危ないから」
「はい! では行きましょう」
「ありがとう」
二人はランボを探すべく廊下を歩き出す。
歩きながら獄寺は内心でランボに悪態をつく。
「(たくっ、ランボの野郎は…! 野球バカ達も10代目を何で一人で探させてるんだよ!)
ところで沢田さん、あのバカどっ…!」
「どうしたの獄寺君?」
綱吉が不安そうに聞くと、獄寺は直ぐに笑顔に戻った。
「…すみません沢田さん、少しお母様から言われていた事を思い出して立ち止まってしまいました」
「何か言われてたの?」
「はい、沢田さんの右腕として貴方の役に立つよう言われていたのをすっかり忘れていました」
「えぇ〜!?」
綱吉は呆れたというより困ったような顔をする。
「俺そんなに頼りなくないよ、本当に獄寺君も獄寺君のお母さんも心配し過ぎだよ」
「ええ、沢田さんの右腕として当然です。だから沢田さんの為にも……大人しく捕まって貰おうか怪盗キッド!」
「!!?」
獄寺は懐からダイナマイトを数本取り出すと、目の前にいる綱吉に敵意を向ける。
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