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大空420 ページ47
ＮＯside
「ま、待って主！梯子を使って行くなら…右手に何か巻いた方がいいよ」
焦ったように呼び止めた小夜は、自分の着ている袈裟を破き、カエデの右手に巻きつける。
されるがままになったカエデは、一瞬だけポカンとしたが、申し訳なさそうに顔を綻ばせる。
「悪い。」
「それは…」
「結界が強力だったのが悪いんだ！主さんが謝ることでもねぇよ…」
「あぁ」
短いやり取りの後、カエデは小夜に巻いてもらった袈裟をキツく締める。
「…」
カエデは愛染と蛍丸を呼んだ。
「2振は、上に残っててくれないか？」
「えぇ！？」
「どうして？皆で行くんじゃないの？？」
「そうしたいのは山々だが、もしもの保険だ。」
カエデは不器用なりに2振の頭を撫でる。
「頼みたいんだが、いいか？」
「う〜〜ん…主さんの頼みなら仕方ねぇ！」
「うん！俺達に任せて！」
「いい返事だ。任せたぞ」
そして、カエデは残りの3振に向き直る。
「行くぞ3振共」
「ああ」
「うん」
「………ああ」
小夜が先に梯子をつたって降り、その次にカエデ、骨喰、鯰尾と続いた。
「かろうじて見えるな…」
「主、足元に気をつけろ」
「僕が手を引こうか？」
「いや、いい」
「…地下道か？」
「みたいだな。この先、何があるか分からん。気をつけて行こう」
カエデ達が降り立った地下道は、薄暗くそれでいてどこか真新しい雰囲気だった。
夜目の効く骨喰が先頭を歩き、小夜がカエデの袖を繋いで歩き出す。
鯰尾は、一歩遅れて続いた。
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