大空418 ページ43
NOside
その頃、カエデ達は小屋に続く道を歩いていた。
「…………随分遠いな」
「そうか」
「……あんたには聞いてない」
鯰尾の呟きに反応するカエデ、が彼は冷たくあしらう。
骨喰と蛍丸を先頭に歩く一同。
カエデと鯰尾の後ろを歩いていた愛染は、小夜にこっそり耳打ちする。
「なぁ…ほんとに大丈夫なのか?主さんの近くに鯰尾をやっちまって……」
「……主が『良い』って言ったんだ。大丈夫だよ。僕達の目の前で襲うようなことはしないはずだし」
「まぁ……それもそっか…」
「着いたぞ」
骨喰の声に全員が足を止める。
「ここが例の小屋か!」
「なんか、普通だね〜」
「本当にあった…」
初めて目にする3振を横目に、彼は『はぁ』と気合を入れるように小屋へ入り、それに骨喰と小夜が続いた。
後の3振も一歩遅れて続く。
「まずは、なにか探してみよう。数分後に報告な」
「分かった」
「うん」
数分後。
「とくに変わった場所は無さそうだ」
「怪しい所はなかった」
「すっげー普通の小屋だぜ」
「小屋の周りも見たけど、何もなかったよ」
「…………成果なしだ」
小屋の外に出て、それぞれの報告を聞いたカエデは腕を組んで、顎に手をやる。
「ふむ……どうしたものか」
「………元々確証はなかったんだ。これ以上調べても…なにもないだろ」
鯰尾が諦めたように言う。
それに小夜達も文句は言えず、納得したような顔をした。
しかし、カエデは小さくニヤリと笑った。
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