虹空418 ページ42
［Noside］
「皆さーん！いっきますよー！せーの…」
「「「えいっ/おりゃ！！」」」
ヨミと短刀、大倶利伽羅、三日月で襖や畳を庭へと投げ飛ばしていた。
「……何をやっている」
「あ、ここの本丸の大倶利伽羅さんですね！んー…伽羅ちゃんと呼びます！」
「おい、やめろ」
「いいじゃねえか、伽羅ちゃん」
「そうですよ！からちゃん！」
「お前らもか。……お前らの兄弟刀が探していたぞ」
「ふーん、でも俺達は大将と契約結んだから戻らねえぜ！」
「はい！いくら一兄が探していたとしても戻りません！」
「……伽羅ちゃん、少し屈んでください」
「…？」
ブラック本丸の大倶利伽羅は言われた通り屈むとヨミは近寄り頭を撫で始めた。
「!?…な、何を…」
「いい子いい子。私の大倶利伽羅から聞きました。
伽羅ちゃんは一人狼を演じ誰も傷つけないよう仲間との距離を置き周りに気を使っていることを。
そんな貴方はとてもいい子です。だけどもう大丈夫ですよ、仲間と共に刀を取り戦い、私達と笑顔の絶えない生活をしましょう」
「……アンタは、俺の前から消えないのか？」
「はい、私は…いえ、私とカエデさんはこの本丸の審神者なんです。だから、貴方達が本霊に帰りたいと言うまで離れませんよ」
「……大倶利伽羅だ。別に語ることはない。慣れ合う気はないからな」
「はい！よろしくお願いします、伽羅ちゃん」
「…主、伽羅ちゃん呼びはやめてくれ」
「なんでです？大倶利伽羅」
「……はぁ」
「あ！いけない…！カエデさんに急いで鍵を渡してきますね」
「どこにいるのか分かるのか？大将」
「えぇ、霊力を辿れば…きゃ!?あ、あの…伽羅ちゃん？」
「…俺が連れて行く。死なれたら困るからな」
「お、お願いします…(ここの大倶利伽羅…もとい、伽羅ちゃんも慣れ合う系になったんですかね…？)」
ヨミはブラック本丸の大倶利伽羅…もとい、伽羅ちゃんに抱っこされるような形でカエデの元へと向かった。
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