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大空417 ページ41

山姥切side


「いくら粟田口派の者が必要でも、主の本丸の刀剣で大丈夫なのか?」


「カエデの本丸には…骨喰がいてヨミの所には鯰尾がいるんだから」


俺は呟くように聞いてみる。


主は、俺を含めた8振を残してあの小屋に行ってしまった。
残った俺達は、ヨミ大掃除を再開していた。
それを聞いた加州や大和守安定の手が止まる。



「主が言ったんだから、大丈夫でしょ」


「小夜や愛染、蛍丸にカエデの骨喰もいるから」


「心配せんでも大丈夫とちゃいます?」


「何かあれば、愛染がすぐに伝えに来るでしょうし……鯰尾から危険な様子はありませんでしたからね」


「しかしだな……」


『主なら大丈夫だよ、大空だし…強いし』


もしものことがあっては遅いのだ。
そう思っているとカエデの本丸の加州清光が喋り出した。


「でも、あの鯰尾くんがね…やっぱり、兄弟のことは放っておけないのかな?」


軽い冗談を言いながら、それぞれが作業に戻る。
俺は心配しすぎだろうか?と自問する。



「……写しの俺に心配されるなど、望んでないか。主は」



小さな声で自嘲する。
その瞬間。


「「自虐退散!!!」」


「グハッ!?!?」


頭と腹に手刀が叩き込まれた。


「お、お前ら…」


「自業自得!もう、『写しの俺なんか…』って言わないでよね」


「そうだよ!山姥切は気にしすぎ!!」


「しかしだな…」


加「主に言いつけるよ?
もう、主が来てから、あんまり言わなくなってたのに…」


「え?」


『うちの山姥切は毎日毎日、俺は写しだって言ってるよ』



加州に言われて、俺はやっと気づく。
そういえば…主が来てから、写しがどうとか言ってなかった気がする……


「もしかして……気づいてなかったの?」


「あ、ああ」



改めて言われると、少し恥ずかしい気がした。


「………主のせい…だな」


俺は、布を深く被り、顔が見えないようにした。
他の奴らの視線を感じたが、俺は気にせず作業を再開した。

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作者名:小町&五月雨 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月19日 13時

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