大空406 ページ19
ＮＯside
「手入れさせろ」
「は…？」
いきなり言われ、山姥切は戸惑った。
「！手入れさせろって言ってんだ」
ズイッと顔を近づけてきたカエデに、山姥切は「うおっ！？」驚いて後退した。
「この部屋にいる全員だ！
俺が手入れしてやる！！拒否権はねぇ！！！三日月、和泉守、加州。抑えとけ」
「あい、わかった」
「おう」
「はいはいー。」
ビシッと指を刺され、いきなり大声でそう宣言した彼に、その場にいた刀剣達は衝撃を受けたように「は？」と言って固まった。
「どいつもこいつも…」
そう愚痴りながら、ガシッと山姥切の腕を掴む。
困惑する暇も与えず、カエデら山姥切を強制的に部屋に入れる。
「っ！何を！？」
？「どういうつもりだ！」
「うっせぇ！黙ってそこで待ってろ！」
刀剣「「「「っ！」」」」
そう言い残し、カエデは炎を灯した
「主の炎だ…相変わらず綺麗だな…」
加州は分霊の自分自身を抑えながら呟いた。
？「なんなんだこいつ…」
「言っておくが、俺達はお前を『黙ってろ。そして大人しく手入れされろ』なっ！？」
山姥切の言葉を遮って言った彼は、炎を右手に彼等にジリジリと近づいて行く。
彼のバックからゴゴゴとなぜか幻聴が聞こえ始めた刀剣達は得体の知れない恐怖にジリジリと後退する。
「拒否権は…ねぇって言っただろ？」
この言葉を聞いて和泉守兼定、三日月宗近、加州清光は力を入れて押さえつけた。
ギラギラとなぜか瞳を輝かせる。
刀で抵抗しようにも、謎の重圧によって抵抗できない彼等は、彼が迫って来ては後退するを繰り返していた。
とうとう壁まで追い詰められると、カエデはニィと笑う。
「さぁて…お手入れしようか」
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