大空370 ページ47
NOside
夜は更け朝日が昇る。超魔法軍事帝国アルバレスからの第一陣を凌ぎきった妖精の尻尾。
ギルドに全員が集められた彼らはさぞ喜んでいることかと思っていたが、そこには笑顔が一切なかった。
「一陣はなんとか守りきった。しかし、四方から攻められている状況は何一つ変わらん。それに・・・」
マカロフが口を閉ざし奥歯を噛む。
彼が何を言いたいのか察したギルドメンバーたちも悔しさが滲み出ていた。
「まさかこんなことになるなんて・・・」
無傷でこの戦争が乗り切るとは微塵も思ってはいなかった。
それでも、こんなに早く・・・しかもよりによって彼らがアルバレスに向かった時に手を貸してくれた人物が身勝手な行動をした自分たちのせいで巻き込まれ敵を倒すために命を落としてしまったことは心を締め付ける大きな事象となった。
「一夜はなんとか一命を取り止めた。だが、自らを追い込むためにラクサスの魔障粒子を引き継いだことでかなりダメージを受けている」
火事場の馬鹿力を利用して勝利を得た一夜も肉体的ダメージが大きくギルドの医務室で眠りについている。さらには雷神衆もワールの攻撃をまともに受けたことで負傷し意識を失っていた。
「初代。ここは力を貸してくれるギルド全てに感謝し、新たな戦略を立てるべきです」
マカロフの言葉にうなずく妖精軍師。
彼女が作戦を立てやすいように、ウォーレンが魔導レーダーを駆使して集めた情報を提供するのだった。
「ヨミ、命の炎を使うことはしないでくれよ……」
「王子達、あんな思い二度としたくないからさ」
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