大空347 ページ1
NOside
それから数日後、ナツ達は妖精の尻尾再建のため、以前ギルドのあったマグノリアへと戻ってきていた。
「うぉー、懐かしいなー」
「見てー、カルディア大聖堂が直ってるよー」
冥府の門との戦いで壊れてしまった街は1年の歳月を経て元通り直っていた。
「1年前はひどい有り様だったのに」
「この街はたくましいわね」
ウェンディとシャルルの言う通り、この街は本当に強い。
クロッカスもそうだけど、このフィオーレ王国はみんな心が強いと思う。
あれだけ荒れ果てた土地を元に戻すのは容易いことではないはずだ。
「グレイたちはもう来てるのかな?」
「さ〜?もっと遅くなるんじゃない〜?」
今この場にいるのは俺、ウェンディ、シャルル、ルーシィ、ナツ、ハッピー。
他はそれぞれ報告やら身辺整理やらがあるようで一旦戻り、このマグノリアで落ち合うことになった。
「でもゼレフを呼び寄せるために人を殺す・・・ね」
「うん。そんなことできるはずないのにね」
逮捕された黒魔術教団の目的は黒魔導士ゼレフを呼び寄せるために街の人たちを皆殺しにすることだ。
「……」
そんなことを話ながら歩を進めていると、ルーシィが何やら遠い目をしていることに気が付く。
「ルーシィさん大丈夫ですか?」
「え?」
「なんか元気ないですよ」
「具合悪いんですか?」
せっかくマグノリアに帰ってきたのにここまで彼女は無言を決めていた。
体調でも悪いのかと声をかけると、彼女は笑顔を作る。
「ううん、何でもない。久しぶりでちょっと思い出に浸ってた」
無理矢理作られた笑顔であることはすぐにわかった。だけど、話したくないから彼女はそう答えたのだろうから、これ以上追及するのはやめた方がいいか。
「あまり触れない方がいいわ」
「うん。久しぶりだしね」
ナツ達は横へと並んでこの先にあったギルドの跡地へと向かう。
もうまもなくというところで、後ろを歩く少女の足が止まったことに気が付き、ナツ達は振り返った。
「どうしたの?ルーシィ」
「ギルドはもうこの先だぞ」
キョトンとした顔のハッピーとナツがそう言うと、彼女は顔を俯かせる。
「あたし、この先へ行くのが怖い」
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