12 ページ12
.
「で、なに？」
相談があるって言ったら、
ちょっと嫌そうな顔をしながらも
ご飯いくか、と言ってくれたマサさん。
こういう優しいところに
Aちゃんは惹かれたのかな
なんて女々しいこと考えてしまう自分が憎い。
「なにって、そんな急に聞かんでよ」
「回りくどいの嫌いなんだよ。早く言え、ほら」
さっき来たばかりのお通しに
箸を進めながら、
じい、と圧力をかけてくる。
「じゃあ、
…マサさんってさ、いつシたの？」
「…は？」
「だからぁ。いつ、ヤッたの、Aと」
そこまで言うと
マサさんは飲みかけていた梅酒を
ぶっ、と漫画みたいに吹き出しそうになって。
恨めしそうな目で俺を見た。
「お前、なに言ってんの」
「単刀直入に聞けって言ったのマサさんでしょ」
「いや、え？祐希バカなの？」
「マジメにしか言ってないんですけど」
だってAちゃんのこと、
おそらくその、そういうのとかって
悔しいけど俺より知っているのは
マサさんしかいなくて。
実は、あの日以来。
好きだ、って
そう言ってくれたのが嬉しくて、
それ以上先に進めていないのが現実。
そもそも、こっちは
何年かけて手に入れたと思ってんだよ。
今まで抱かれたい？とか冗談で言ったことはあるものの、
また勢いで押し倒しでもしたら
一瞬で嫌われてしまうんじゃないかって
そんな不安が大きくて。
居心地が悪くなって、
運ばれてきたオレンジジュースを
ちびちびと飲みながら、
自分の手を見つめていると
気怠そうなマサさんの声が降ってきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 696人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩音(プロフ) - 一気に読みました。年下彼氏な祐希くんと大人な夢主ちゃん楽しかったです。後半は日常の一コマと言う感じでしたが今後の更新予定はありますか？ (2020年7月22日 16時) (
レス) id: 18307f7f6c (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。カッコいいだけじゃない祐希くんが好きなのでついかわいくなってしまいます（笑） (2019年10月23日 22時) (レス) id: 432db93a9f (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 好きです！！！年下彼氏…最高です (2019年10月23日 21時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - おちびさん» コメントありがとうございます！感想いただけて嬉しいです。スローペースですが書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします* (2019年10月23日 0時) (レス) id: 432db93a9f (このIDを非表示/違反報告)
おちび(プロフ) - このような大人な恋愛小説を探してました！続き凄い気になります！これからも頑張ってください。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: ebe82bd864 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリ | 作成日時：2019年10月9日 22時
